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国際協力用語集ワード詳細

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社会関係資本
social capital

人々の間にある信頼関係や、社会的ネットワークを含めた人間関係のことで、ソーシャル・キャピタルとも呼ばれます。

ロバート・パットナムやジェイムズ・コールマンは、これらを社会のネットワークや人と人の間の信頼関係などを、経済成長やガバナンス向上のために人びとが利用する資本として捉えるべきであると主張しました。
社会をスムーズに動かす為には、人々が協調活動をしなければなりません。その活動を活性化させることで、社会が効率的に動くようになります。この考え方を元にして、社会的な信頼関係や、規範、ネットワーク等の資本としての重要性を説いた概念です。

当該概念の起源をたどれば19世紀にまで遡ることができます。1899年、ジョン・デューイという哲学者、教育哲学者、社会思想家が、「学校と社会」という著作でこの言葉を使用をしています。1946年にはアメリカの農村地域で視学官をしていたL.J.ハニファンも論文の中で、学校機能をスムーズに行う為に地域や学校の関与が大切と語りましたがその中でも使われています。1961年には、ジェイン・ジェイコブスも論文の中でこの言葉を使っています。ピエール・ブルデューは人間の持つ資本を、文化資本、経済資本、社会関係資本という3つの資本に分類しました。その中で社会関係資本は人脈であるとしています。資本を多く持っていれば進学や就職で有利な立場になれます。結果、高い社会的地位につけるとしました。アメリカの社会学者であるジェームズ・コールマンは、1988年、1990年の文献の中でこの概念を発展させました。人的資本はあくまで個人が持っているものですが、社会関係資本は人と人との付き合いが必要であり、信頼、人間関係、コミュニティー組織等も含まれると論じました。1993年に、アメリカの政治学者であるロバート・パットナムもこの概念を使いました。イタリアの北部と南部での州政府の統治効果についての研究で、社会関係資本が原因で効果に差が生じていると指摘しています。

社会関係資本については、研究が続けられています。社会関係資本が豊富な地域では、地域住民の健康状態が良好だったり、経済や社会面に対して良い効果があると言われています。実際に、日本では大規模災害等で、社会関係資本が豊かな地域では復興のスピードや充実度が高いことが実証されています。他にもこの社会関係資本による好例は多いのです。他方で、社会関係資本は他者の排除をもたらすなど府の側面も有あり、汚職や非合法組織の活動、はたまた紛争の要因になっているという指摘もされています。
 

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