※一部一致でも検索されます。
※レポート・論文・WEBサイトなどでのご利用の際は参照元として記載・リンクをお願いいたします。
英語では「The third world」と呼ばれます。ちなみに、「第一世界」は日本やアメリカ、オーストラリアなどの先進資本主義国のことで、「第二世界」はロシアや東欧などの社会主義、共産主義国のことを意味します。
第三世界という言葉の語源は、フランス革命の「第三身分」だといわれています。第三身分とは、貴族階級にも聖職者階級にも属さないフランス平民のことです。1950年代の初頭に、インドシナで勃発した民族解放運動がまるでフランス革命のように感じられ、「第三世界の台頭」だとフランス人の人口学者であるアルフレッド・ソービー氏が語ったのが始まりだという説があります。東西冷戦時に、西側諸国、東側諸国のどちらにも属さない国々という意味で、西インド諸島マルチニーク島の出身で、精神科医兼作家であるフランツ・ファノン氏が命名したという説もあります。
その多くの国々がヨーロッパ諸国の植民地であった第三世界ですが、旧ソ連とアメリカが緊張状態にある間に、次々と独立を果たしました。1970年以降にはその存在を世界にしらしめ、政治権、発言権を強化するようになりました。しかし、依然として南北問題はあり、第一世界、第二世界との経済的格差は広く残されています。
なお、永久中立国であるスイスやオーストリアは、このどの世界にも属していません。
それから、中華人民共和国の毛沢東氏は、まったく違う考え方を展開していました。まず、第一世界は、二大超大国であるアメリカとロシアを差すと考えていました。そして、第二世界はそれ以外の先進国である、日本やオーストラリア、ヨーロッパ諸国、東欧など。そして、中国は第三世界に属すると分類したといわれています。
最近では、「第四世界」という言葉も登場しています。第四世界とは、「後発開発途上国」のことで、開発途上国の中でもさらに遅れている国々を指しています。国際連合が定めた国々で、所得水準が低く、健康状態が悪く、経済的に非常に弱い立場にある地域です。アフリカのウガンダやエチオピアなど多くの国が指定されているほか、カンボジアやミャンマーなどのアジアやバヌアツやソロモン諸島などのオセアニア、ハイチも第四世界に入っています。経済的な成長が見られると、第三世界に分類されることになります。