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BISは、第一次世界大戦の敗戦国であるドイツの賠償金支払いを円滑に進めるために、ゼネラル・エレクトリックの会長であったオーウェン・ヤングを委員長とする委員会が提唱したヤング案の実施機関として、1930年の1月に設立されました。清算や決算を意味するSettlementが名称に入っているのもこのためです。しかし、深刻化した大恐慌の影響でドイツの倍賞支払いが停止し、その後に台頭したナチスの政策によってドイツが一方的に賠償金の支払いを拒否したために、中央銀行間の協力を推進する機能のみが残されました。やがて第二次世界大戦後に国際通貨基金が設立され、またBIS自体に対ナチス協力の疑いがかけられたため一時は廃止案が検討されましたが、マクロ経済学を確立したイギリスの経済学者ジョン・メイナード・ケインズの尽力によってその存続が認められています。
年に一度、株主である中央銀行の代表が集まる年次総会が、6月末から7月初めに開催されます。日本も、創設時には第一次世界大戦の戦勝国として株主の中に名を連ねていましたが、1951年のサンフランシスコ講和条約でその権利を放棄、その後1970年に日本銀行が株主として復帰しました。
事実上の最高意思決定機関である理事会は17名の理事によって構成され、その内訳は、アメリカ・イギリス・ドイツ・フランス・イタリア・ベルギーの6カ国から選出された職権理事6名と任命理事6名、そして日本・カナダ・オランダ・スウェーデン・スイスの5カ国から選ばれた選出理事5名となっています。
BISの主な役割として、各国の中央銀行の議論促進と協働関係の推進、中央銀行及びその他の金融監督当局が直面している政策的な課題についての調査研究、並びに中央銀行に代わっての金融市場取引や国際的な金融オペレーションに際しての代理者または受託者となることなどが挙げられます。
またBISが事務局機能を提供している国際的な金融関係の委員会には、バーゼル銀行監督委員会やグローバル金融システム委員会、支払決済委員会、市場委員会などがあり、その中でもバーゼル銀行監督委員会(バーゼル委員会)が1988年に制定した統一規制は、国際業務を行う銀行の自己資本比率を8%以上と定めたもので、これを各国の中央銀行が合意し(バーゼル合意)、自己資本比率規制として導入しています。