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1000人に対する死亡数で表されることになっています。年間の乳児死亡率=1000×(年間の乳児死亡数)/(年間の出生数)という計算式で値を求めることができます。乳児死亡率の中にも細かい分類があり、28日未満の死亡を新生児死亡率、1週間未満の死亡を、早期新生児死亡率と呼んでおり、また、5歳未満の死亡を乳幼児死亡率と呼んでいます。2015年までに1990年の水準の3分の1の数に削減するという目標をもって国際的に努力が払われていますが、年間約760万人の子供がなくなっており、この原因は主に生後1か月以内の新生児の死亡率の改善が進まないためと考えられています。
特にサハラ以南アフリカでは2010年の新生児死亡率は1000人中35人となり、高い数値を記録しています。死亡率を減少させるうえで大きな力となるのは、予防接種率をあげることです。先進国であれば予防可能な”はしか”で多くの途上国の子供たちが亡くなっています。WHOでははしかの予防接種率を90パーセントまで高めることと、予防接種を受けることを進めています。また、乳児死亡率減少を進めるためには、母子揃っての健康管理が大切になります。インドネシアでは、1997年に全国版の母子手帳が開発され、様々な保険サービスに関する情報を母親が得られるようになり、喜びは広がっています。自宅出産により命を落とす母子が多いことも問題視されていたフィリピンでは、保健センターや病院での出産を促進する条例が制定され一つの州では施設分娩の割合が2009年に90パーセントにまで増加し安全が守られています。日本からも栄養不良の母子に食物や衣類を提供するその場限りの支援だけではなく、実際に栄養価の高い農作物を栽培する方法を教えることにより、長期的な教育がなされています。多くの努力により、改善が図られている事実はありますが、多くの子供たちの死の背景にあるものは、飢餓や貧困、戦争や災害、HIVなどであり、ほとんどが、大人の招いた多くの事象のために子供が被害に遭っているということが事実です。貧困や搾取がなくならない限り、子供たちにとっての真の安全が確立されることはないと言えるかもしれません。乳児死亡率を減少させるための取り組みが進むことにより、大人たちの安心と安全も守られることになります。