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国際電気通信連合(ITU)とは、国際電気通信連合憲章に基づいて、通信分野での各国間の標準化を推進し、共通規格を作り上げることを目的としている機関で、本部はスイスのジュネーブにあります。取組分野ごとにITU-D(電気通信開発部門)、ITU-R(無線通信部門)、ITU-T(電気通信標準化部門)の3つの部門で運営されています。2015年3月時点の事務総局長はマリのHamadoun Toureです。最近のトピックスとしては、次世代のネットワークの構築に関することやIPテレビ(ネットテレビ)に関する規格等の取組が行われています。また、ITUは、無線周波数の割り当て管理や国際通信の接続管理や政府と民間の開発協力を促進させるような発展途上国援助も行っています。
ITUは国際機関としては世界最古と言われている組織です。1865年にInternational Telegraph Unionとしてヨーロッパ20か国によって設立されました。今は当たり前になっていますが、当初の目的は通信の国際接続を実現させることでした。その後、1924年に国際電話諮問委員会、1925年に国際電信諮問委員会、1927年に国際無線諮問委員会が相次いで創設されITUの原型ができ上がっていきました。そして1932年にITUという名称に改称し、1947年に国連の専門機関となりました。その後、国際電話部門と国際通信部門の統合などの組織変更を経て現在に至っています。
ITUの業務の概要については、ITU憲章の第一条に記載されていますが、要約するとすべての種類の電気通信の改善と合理的利用を実現するということです。特に無線については目に見えないものですのでイメージが湧きにくいかもしれませんが、私たちが使っているスマホの通信は、一定の周波数が割り当てられて使えるようになっています。割り当てを無視して特定の周波数帯を勝手に使うと混線してしまうのです。そのため、この周波数は警察無線、ここは携帯電話、という割り当て行政が必要なのです。それを国際的に調整しているのがITUです。
また、通信技術はどんどん進化しています。身近な例でいえば、初めは文字しか送れなかった携帯電話が、写真を送るようになり、情報技術の発達とともに動画のダウンロードさえストレスなくできるようになりました。大量の情報を小さく圧縮する技術と、より早く伝送する技術がどんどん進んでいるのです。ITCは、こういった新技術の規格を世界的に統一していくことで健全で合理的な発展ができるように活動しています。