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本部はスイスのジュネーブにあります。その活動が認められ、1954年と1981年にはノーベル平和賞を受賞しています。活動資金は、各国政府の任意拠出金、一般市民や団体の寄付金によって賄われています。主な拠出国はアメリカ、日本、欧州委員会などとなっています。
そもそも難民とは、宗教の違いや人種差別、国籍、紛争などで自分の住んでいた国や土地から出ざるをえなくなった人、あるいは追い出されれていってしまった人のことを指します。これらの難民の人々は何か悪いことをしたわけでもないにも関わらず、住む場所をなくし、生活もとても苦しくなってしまい、他国に対して支援を求めます。これが難民の定義ですが、この定義は1951年に採択された難民の地位に関する条約という条約の中で定められたものです。そしてこの条約と1967年の議定書に基づいて国連総会で設立された機関がこのUNHCRです。
難民は是かい各地で起こっている地域紛争などから発生します。冷戦以降、世界中で地域紛争が立て続けに起こり続けています。そんな中で、自分の住んでいるところさえも危険になって住むことができない、あるいは紛争で追い出されていってしまったという人も多く発生していきました。こうして難民問題が世界的にも問題視されてきたという背景から、国連で難民問題を専門に扱うUNHCRが設置されました。
難民問題解決に取り組む高等弁務官は国連総会において選出されて、その任期は5年間です。過去には1990年から2000年までの間、日本人である緒方貞子氏が高等弁務官を務めていました。
UNHCRの最も重要な役割は当然世界的な規模で難民を保護していくことです。逃れてくる前の場所では基本的人権は全く保障されていません。そんな人たちを人として扱ってもらえるように基本的人権を確保していくというのが目標となっていて、食料や水の支援、医療支援も行なっているのがUNHCRです。
最近では国内から出ないけれど難民状態にある国内避難民も増加してきています。これらの人々も難民の人と同じ苦労を強いられているので、同様に対策は必要ですが、国際条約の定義上難民として扱うことができません。しかし、UNHCRはこの国内避難民に対する支援活動も行っています。