※一部一致でも検索されます。
※レポート・論文・WEBサイトなどでのご利用の際は参照元として記載・リンクをお願いいたします。
内紛や戦争、自然災害などの緊急事態が発生した時、必要とされる場所に食糧を配給し人々の命を救っています。1961年に設立が決定され、1963年から活動が開始されました。WFPは緊急食糧援助だけでなく、飢餓のない未来をつくるための中長期的な支援も行っています。
例えば、道路や井戸、灌漑設備等地域社会の役に立つ生活基盤の建設・修復工事を支援し、地元住民に労働を呼びかけています。工事の期間中の食糧が保障されていることで、労働者は安心して仕事に取り組むことができます。近年飢餓に苦しむ人々は、世界で約8億5000万人と推定されています。換算すると、世界の9人に1人は健康で活動的な生活をする食糧が得られていない計算になります。食糧が不足しているならば、増産すればいいではないのかという疑問を持つ方もいると思います。実は、世界にはすべての人が食べる為の食糧があります。食べ物が豊富にある国がある一方で手に入らない国もあるということです。
人びとが十分な食糧を手に入れられない一番の原因は貧困です。世界を平均すると5~6人に1人が、1日100円位の金額で生活していると言われています。これでは十分に食糧を購入したり、畑に蒔く種や肥料、家畜の購入も出来ません。また体調が悪い時も病院へ行くことができず、大人のかわりに子供が労働せざるを得ない状況が発生したりします。学校で教育を受けられなかった子供たちが将来働こうとしても、読み書きができないので就職が困難になる事態が起こります。WFPは給食を配給することで栄養と教育の機会を提供しています。
支援物資の配送も様々な方法が採られています。基本的には港まで船で運びトラックで運搬するのが一般的ですが、災害などで道路が寸断されている場合には、飛行機で空中から投下や、山林ではロバやゾウなど動物の利用もされています。最近では支援にも新しい方法が考えられています。穀物などを直接配給するのでなく、WFPから番号入りのカードを渡し、カードに食糧購入の為のお金を振り込むという方法です。地域の決められたスーパーへ行き、好きな食糧を購入可能で、肉や牛乳などの生鮮品も手に入れることができます。この方法のメリットは、地元の店を利用するため地域経済も潤うことになる点です。このように、支援方法も進化しています。