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世界貿易機関(WTO)とは、国際連合の専門機関の1つで世界貿易の自由化と世界貿易の秩序の強化を目的としています。鉱産物や農産物などの物や通信や金融などのサービス、知的財産権なども含めて国際的な通商のルールを協議する場です。
前身は、関税及び貿易に関する一般協定、略称をGATTと呼ばれるものです。暫定的な協定であったGATTを強化し1995年に世界貿易機関が設立されました。この設立の背景には、ウルグアイ・ラウンドでの最終文書での決定があります。そのためGATTの事務局及び事務局長もそのままWTOへと引き継がれています。GATTと違い、協定ではなく国際連合の正式な国際専門機関として設立をさせた他、加盟国が合意事項を違反した場合には経済制裁を受けるという罰則設け国際貿易紛争に対する処理能力も有しています。関税の低減や数量の制限、その他の貿易障壁を取り除くことで自由貿易の促進と、多角的な貿易の場の提供を目的としています。基本原則としては、1つは自由であることです。関税を低減させることや数量制限の原則禁止などがこれにあたります。2つ目は、無差別であることです。これは、他国以上に必ず有利になる条約を結ぶなどする最恵国待遇や自国の国民の権利と同じ権力をある他国の国民や企業に与える内国民待遇の禁止にあたります。3つ目は、多角的な通商体制の確立です。多角的な通商交渉に関しては、元来貿易障壁の軽減や解消のみを対象にしていましたがその後、その範囲が拡大され先にも述べたように金融や通信、運輸などのサービス貿易の自由化や、著作物や特許などの知的財産権、通関手続きや投資ルールまでもが、協議の範囲として認定されるまでになりました。またそれに付随して、各国の労働条件や環境についてまでが議論の対象として挙げられています。
世界貿易機関は略称をWTOとしていますが、ワルシャワ条約や世界観光機構もまた、略称をWTOとしています。現在は、ワルシャワ条約はないため混同はされません。世界観光機構は2003年、国際連合の専門機関となったため、略称をUNWTOに変更し、こちらを使用しています。明確に区別する場合、世界貿易機関はWTO-OMCと表記されます。このOMCとは、世界貿易機関のフランス語表記であるL'organisation mondiale du commerの略称です。