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1968年にローマで初めて会合を行ったことからこの「ローマクラブ」という名称で呼ばれています。1972年の会議にて『成長の限界』という報告書が発表されました。この報告書では、「現在のままで人口増加や環境破壊が続くと、資源の枯渇や環境の悪化によって、100年以内に人類の成長は限界に達する」とまとめ、それらを回避するためには、地球(資源や環境)が無限であるということを前提としてきたこれまでの経済のあり方を見直して、世界的な均衡を目指す必要があるとしています。その後、1992年『限界を超えてー生きるための選択』においては、資源の過剰な採取、環境汚染の悪化によって、21世紀の前半に破局が訪れるとして『成長の限界』よりも危惧すべき状況になっているとまとめています。
ローマクラブによる『成長の限界』の中で強調されているのは、世界人口、工業化、汚染、食糧生産、資源消費についてであり、これらを成長の傾向を変更させることで達成させると予測される持続可能なフィードバックのパターンを探っています。20008年には創設から40周年ということで、本部の置かれるスイスにて開催された会議で、特に言及されていたことは、資本主義経済、市場経済と民主主義政治における短期指向の克服で、それに関連するグローバルなガバナンスの改善や強化であり、アメリカにおけるリーマンショックで露呈された金融偏重の経済に対する批判などが挙げられます。過去の『成長の限界』においては金融システムについては考慮されておらず、この40周年の会議では、先の5つの面において持続可能なものとして考えられないとし、これまでに変化してきた現代の金融システムは適度な景気変動をもたらし、目先指向を生み、不断の成長を必要とし、結果として富の集中と社会資本の破壊をもたらすものであると述べられています。
日本の会員としては、元大学教授や、政治家などが参加しており、名誉会員として緒方貞子さんなどがいます。