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女性差別撤廃条約とは、女子に対するあらゆる形態の差別の撤廃に関する条約を、短く簡略化して通称としたものです。この条約では、女子に対するあらゆる差別の撤廃、男女同一の権利の確保と、政治と経済を含めた社会的な活動を初めとした女性のあらゆる分野においての差別をなくし、根絶することを目的としています。この女性差別撤廃条約は、1979年の国連総会で採択された後に、1981年に発行されました。そして日本は、1980年にコペンハーゲンで行われた女性会議にてこの条約に調印し、1985年の6月にに批准、つまり署名された条約です。
この女性差別撤廃条約が日本で効力を持つことにより、日本の国籍法は大きく改正されました。そしてこの改正により、古くの日本から存在していた父系優先の血統主義が、両父母系血統主義へと変化し、男女雇用機会均等法が制定されました。この条約の大きな目的は、世界の平和と人類の発展が男女の平等な権利の実現の上にやってくるものであり、性による役割分担等を克服しより良い社会を実現することを、条約の採択動機として掲げています。そして女性差別はその婚姻の有無を問わず、また性に基づく区分や除外も制約としており、政治や経済、そして社会や文化、市民活動のいかなる分野でも、男女の平等を社会の基礎とすることを条約では掲げています。そしてそれが女性の人権と基本的自由を阻害したり、その権利を無効にする目的を持つものも、条約では差別の一つとうたっています。
また日本を含むこの女性差別撤廃条約の締結国は、この条約の実施と進捗状態について国連事務総長に報告を提出しなければいけない義務が存在します。そしてこれらの報告を検討する機関として、女子差別撤廃委員会が設立され、これらの報告や進捗の為に活動しているのです。この女子差別撤廃条約は79の国で署名されており、締結した国は全部で102の国々にわたっています。ただ、日本は女子差別撤廃委員会の議定書には未加入となっています。女子差別撤廃委員会は、女性差別撤廃条約の管轄下にある国で個人や集団などがこの条約上の人権侵害を受けた際には、それに対して審査する権限を認められています。