※一部一致でも検索されます。
※レポート・論文・WEBサイトなどでのご利用の際は参照元として記載・リンクをお願いいたします。
結核は世界で根絶されている病気ではなく、未だに発展途上国において蔓延している病気です。WHO(世界保健機関)の調査によると3人に1人が感染し、毎年900万人が発病、そのうちの約150万人が結核によって命を落としているというデータが2013年に出されました。
DOTSは五つの要素によって成り立っています。一つ目は痰を採取して塗布検査を行い患者を発見すること、二つめは6ヶ月から8ヶ月の間標準として定められた複数の薬剤を使って患者を直接監視しながら治療すること、三つめは薬剤の安定供給システムの確立、四つめは患者情報の整備と報告制度を標準化して監督と評価を行うこと、五つ目は政府による結核対策への取り組みです。WHOがこのDOTSを提唱してから現在ではほとんどの国や地域で結核に対するDOTS戦略が行われています。しかし検査の精度確保、都市部での高い治療脱落率とそれによる多剤耐性結核菌の発生、薬剤や機具の払底など多くの問題を抱えています。
dots戦略を実施する上で、例を挙げると日本の結核研究所における結核国際情報センターでは国際的な協力を数多く行っています。
結核対策の整備や推進を目的にアジアやアフリカでODAによる各国における技術開発プロジェクトや途上国・国際機関が行っている活動に技術支援の為に専門家を派遣しています。その他結核対策に従事する者の人材育成、発展途上国の結核問題と対策の改善を目的とした研究や日本と同じような問題を持つ結核中蔓延国の対策について比較研究しています。世界における結核情報及びそれに関係する分野の情報収集、管理も行っており、国際研修を修了した人材に対してネットワークの強化及び結核対策の重点課題などをニュースレターをして年に1度発信しています。
また世界的な結核根絶を目指しているWHOや国際結核肺疾患予防連合、結核サーベイランス研究ユニットなどのメンバーとして結核研究所のスタッフが運営、調査及び研究を行っています。WHO指定協力センターとしてWHO西太平洋地域事務局に協力し、当該地域において調査、研究、各国の結核対策に対する助言等を行い結核問題に取り組んでいます。このように結核に関する国際的な機関に協力することで世界的な結核の根絶を目指す為にDOTSを遵守して活動しています。