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エコツーリズムは、当初発展途上国での森林伐採を食い止める一つの方法として注目を集めました。伐採の対象となりうる森林へのツアーを行い、森林伐採の現状を参加者に説明して伝えることで、伐採を食い止めたいという思いを参加者に持ってもらう動きです。
日本などの先進国では、エコツーリズムは観光と環境の保護の両立を目指して行われることが多いようです。1990年ごろからは、屋久島などで自然保護の目的でエコツアーが行われるようになりました。また、日本政府は1991年から沖縄でエコツーリズムに関する調査を開始しました。1990年代後半は、政府だけでなく民間企業・団体がエコツーリズムを普及する働きが多く見られました。このような動きを経て、2004年ごろに推進会議が設立され、国として推進していく動きが始まりました。そして2008年に、エコツーリズム推進法という法律が施行されています。この推進法では4つの推進方針が定められており、「政府によって基本方針を決める」「地域の関係者によって推進協議会が設置される」「地域によってエコツーリズム推進方策が策定される」「地域の自然観光資源を守る」ことが掲げられています。この4つの方針を守ることで、自然環境を守ったり、観光によって地域の活性化につなげたり、環境についてよりよく知ったりすることができます。市町村がエコツーリズムに関しての方針を大臣に申請し、認定が下りた場合に広報などの協力を得ることができるようになります。
エコツーリズムは国や立場によって捉え方が変わりますが、日本では地域社会の活性化というところに重きを置いているようです。地域のみんなでその地域ならではの魅力を観光客に伝えていき、保全についての理解を促すとともに、より好きになってもらったり多くの人に知ってもらったりすることで、観光としても活性化していくことを狙いとしています。エコツーリズムを推進していくことで、地域の魅力に住民の人自身が気づき、実際に活動を起こして発信していくことから、地域住民が自らの文化として地域の特色を守る動きが期待できます。そしてその特色を地域の遺産として引き継いでいくことで、持続可能な発展を目指しています。