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世界の人口を100人の村に縮小して世界の「多様性」と「貧富の格差」を表した文章で、インターネット上でチェーンメールのように広がりました。
1990年に、アメリカのイリノイ州出身のドネラ・メドウス教授が発表した「村の現状報告(State of the Vilage Report)」という小論文がもとになっています。この小論文では、世界を一つの村としてとらえ、人種や経済状態、政治体制、宗教などの比率はそのままにし、人口だけを1000人に縮小して、世界の状態を表しました。この小論文がインターネットで広まっていく中で、更に人口が縮小して100人なったものが生まれたとされています。日本では、この文章を元に再話した著書「世界がもし100人の村だったら」(著者:池田香代子、出版:マガジンハウス)が有名で、多くの人に知られることとなりました。開発教育協会(DEAR)ではワークショップ版を作成しており、教育現場でも活用されています。
文章の内容としては、世界がもし100人の村だったら、そのうち女性は52人で48人が男性であるというものから始まり、子供は30人で大人は70人、そのうちの7人はお年寄りであるというものが続きます。人種や宗教、使用している言語への言及もあります。ここでは、「様々な人がいるこの村で、自分と違う人を理解することと相手をあるがままに受け入れることがとても大切である」とし、世界の多様性を伝えています。そして、100人のうち20人は栄養失調状態にあり、15人は太りすぎであり、すべての富のうちの59%は6人のアメリカ人が持っているという文章が続きます。エネルギーの保有率や、教育の普及率、識字率などにも言及しており、世界の貧富の格差も分かりやすく可視化されています。そして文章の後半では、「この文章を読んでいる自分自身とこの村に人々が生きているということを愛してください」と綴られています。最後には、「たくさんのわたし・たちがこの村を愛することを知ったなら、まだ間にあいます。人びとを引き裂いている非道な力からこの村を救えます。きっと。」と述べられています。