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ICTとは、コンピューター関連の技術や設備、サービス活用の総称で、日本では「情報通信技術」とも訳されます。ICTの活用は経済や産業界に限らず、教育・医療・福祉・公共施設といった場面から、買い物や他者との交流といった私たちのあらゆる日常生活にまで及んでいます。
日本で以前から使用されていた「IT:Information Technology/情報技術」とほぼ同義語ですが、ITとICTでは「Communication」、つまり通信を含むかという点に大きな違いがあります。ITがコンピューターの技術面に重点を置いていたのに対し、ICTは技術面だけではなく、コンピューター活用による通信や伝達・交流といった側面を活性化させることを目指す意味合いも含む用語として用いられます。日本ではITが先に用語として普及し用いられてきましたが、2000年代半ば以降は国際的にICTの方が用語として一般的であることから、総務省などの行政機関を通して次第にITからICTへと使用する用語の変更が行われてきました。完全な移行は行われていないため、コンピューター関係の技術をITと呼び、技術活用をICTと呼ぶ場合もあります。
2000年代前半は政府によって「e-Japan戦略」が打ち出され、社会全体のインターネット環境の整備と普及が第一の課題として進められました。そして2006年からはインフラ整備と普及が実現したことを受けて、「u-Japan政策」が打ち出されました。この政策では、あらゆる人やものを結んでいくものとしてコンピューターの活用が目指され、柱の1つに「ICT活用の高度化」が盛り込まれました。こうした政策の中で教育現場ではパソコンやデジタルテレビが導入されました。近年ではタブレット端末や電子黒板といった媒体も積極的に導入され、効果的な活用方法の模索が続けられています。また、医療現場では在宅医療の促進にインターネットによる連絡が用いられたり、負担の少ない手術技術の開発が進められています。さらに、ICTの普及にあわせて、媒体使用の技術や、情報管理方法といったスキルを身につけることも重要とされています。技術を発展させていくだけではなく、それを使用していくICT人材の育成も同時に進めていかなくてはならないものとして考えられています。