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マラリアとは東南アジアやアフリカ、南アメリカを中心に広がっている伝染病の一種です。この病原菌は蚊によって人に伝染し、感染すると高熱や頭痛といった症状を引き起こして最悪の場合死に至ります。地球上で一番人を多く殺しているのはマラリアを媒介する蚊ではないかと言われるほど深刻な問題となっています。
以前は日本やヨーロッパでも流行していたらしく、歴史的な文献にもそのような記録が見て取れます。これらが今はあまり流行していない理由は水道設備の整備などで蚊が減ったこと、住宅構造の変化で蚊に刺される頻度が少なくなったことなどが挙げられます。一方、熱帯、亜熱帯の地域では未だにその流行が衰える気配はありません。実はマラリアを媒介するのが蚊であるということがわかったのは1900年以降とかなり最近のことであり、発展途上国にはまだそのことが広くは知られていないのです。元から蚊が生息しやすい地域である上に、人々は何も知らないまま蚊が繁殖しやすい水源設備や蚊の侵入しやすい住宅などを使っているのです。さらにはこれらの地域は医療機関も満足に整っていないため、マラリア感染を発見、治療することも困難である場合が多いです。
この状況を打開するため、先進国がその技術や知識を用い、協力してこの問題に取り組んでいます。例えば一番代表的なものはやはりこの伝染病を媒介する蚊の対策です。虫除けスプレーや蚊取り線香などは直接蚊を退け、伝染のリスクを減らすことができます。また、生活インフラを整え水源を確保したり堅牢な住宅を作ることは費用はかかりますが、根本的な対策となるため大きな成果が期待できます。続いて治療する医療機関に対する支援も欠かせません。マラリアに対して有効なワクチンを提供することで、ほぼ絶望的であったマラリアの治療が見込めるようになります。同時に病院を中心にマラリアに関する正しい知識を広める拠点としても活躍します。また、ボランティア活動が広まっている今では民間のアイデアから生まれた対策が活躍する場面もあります。例えばペットボトルを加工して作った罠で蚊を捕まえるというアイデアは有効であることが確認され、早速導入されています。こういった民間で考えられたものは構造が単純である場合が多く、現地の人々が自力で作ることが容易であるというメリットがあります。