※一部一致でも検索されます。
※レポート・論文・WEBサイトなどでのご利用の際は参照元として記載・リンクをお願いいたします。
死別や遺棄、両親の行方不明などで親や親戚などをなくした子供を収容し保育するための施設のことを孤児院と呼びます。孤児の定義については、両親が共に死亡していることや行方不明であること、また両親がわからない場合や近親者が居ない、親類など養育してくれる保護者がい なく、身寄りのない未成年者が孤児に当たるとされています。そのため、両親との死別や養育を拒否した場合でも、その他の祖父母や親類により保護され養育さ れている場合は孤児には当たりません。その場合は、遺児と呼ばれています。戦争で身寄りがない場合は戦争孤児、震災などの災害で身寄りのない場合は災害孤 児、など孤児になった原因をつけて呼称される場合もあります。
日本では、1929年に制定された救護法という法律にて孤児院という名称が用いられましたが、あまりに直接的過ぎる言葉のため差別の対象となることや1946年の救護法失効を受けて、1948年に制定施行された児童福祉法内で名称を養護施設と変更しました。1998年には、児童福祉法などの改正により名称が再度変更となり児童養護施設となりました。孤児だけではなく、両親が健在であっても何らかの事情がある子どもは児童養護施設に入所することができます。孤児院が設立される以前より寺や神社に身寄りのない子どもが預けられることがありました。その中で、孤児を引き取り養育することだけを目的とした日本で初めての孤児院が1869年に設立されました。その後発生した世界恐慌により孤児の数が増え、民間の孤児院が次々と設立されましたが、その多くが宗教系団体が運営するものでした。
孤児院は、日本だけでなく世界各国にも存在しています。アメリカでも近年では差別的な語感を持つ孤児院という名称からgroup homeという呼称へと変わりつつあります。とりわけ開発途上国では、児童福祉の遅れからか、孤児院の不足や孤児院自体が存在しないといった事態が発生しています。そのため、子供だけで家を持たず外で生活をするストリートチルドレンや犯罪行為に手を染めざるを得ない子ども、児童労働を行う子どももいます。そんな劣悪な環境にいる孤児を保護し養育するために、ボランティア団体やNPOによる支援も行われています。日本でも、資金や実際に現地に赴いての支援がされています。