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最初はストレスのように物理学用語として使用されていました。このストレスに関してですが、外からの力による歪みを意味しています。レジリエンスはそのような外からの力によって起こる歪みを跳ね返す力という使われ方をしていました。精神医学の分野では2004年にボナノが、極度の不利な状況に直面しても、正常な平衡状態を維持できる能力と述べており、この定義が多く使われています。
1970年代には貧困や両親の精神疾患によって一般的な人より不利な生活環境に置かれた子供達に対して用いられることが多かったのですが、1980年から成人の精神疾患に対して防衛する因子や抵抗力を意味する言葉として知られるようになりました。例えばPTSDに当てはめると、外から精神的に肉体的に傷つけられるような外傷性のストレスがかかっても、その後の結果は、個人個人によって異なります。PTSDになる人もいればならない人もおり、この差が何にあるのかと言えば、レジリエンスだということです。
2004年にチャーニーがアロスティシスという概念を打ち出しました。レジリエンスを構成する要素についての言及です。内容はコルチゾールからセロトニンを含んだ11の生物学的ファクターです。2007年に、アーミッドは脆弱因子とレジリエンス因子に対する性格的な特徴を整理をしてまとめました。実は脆弱因子があったとしても、レジリエンス因子が不十分で無ければ、レジリエンス因子は働いて致命的なことにはならないという考え方です。このレジリエンス因子には、自尊感情や安定した愛着等が挙げられます。他にもユーモアに対するセンスがあったり、楽観主義を支持をしてくれる人が近くに居ることなども含まれます。
日本国内でも研究はされており、小塩真司によればレジリエンス、新奇性追求や感情調整、肯定的な未来志向という3つの因子で形作られていると言います。もし苦痛を感じるようなことを体験しても自尊心が高ければ自尊心が低い人よりもレジリンスは高いという考え方を提唱しました。
最近では、大規模な災害に見舞われた際、復興していく力を指してレジリエンスという言葉が用いられることがあります。