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サヘル地帯は「飢餓ベルト」とも呼ばれており、砂漠化に瀕した地域です。「砂漠化」により、穀物生産の低迷や生活用水の不足が始まり、調理用燃料の不足、食材や民間医薬素材の不足、家畜飼料の不足など深刻な問題が生じています。現地の人々にとって砂漠化は飢餓を招き、生活を苦しくする元凶となっています。砂漠化が進んだ影響で村々が砂に飲み込まれ難民も発生し、サヘル地帯周辺の国々の大きな負担となっています。
サヘルとは、地理的に説明すると、サハラ砂漠の南縁、セネガルからチャドまでの東西を帯状に存在しています。サハラ砂漠を西アフリカ熱帯雨林地域から分かち、セネガル北部、モーリタニア南部、マリのニジェール川の大湾曲部、ナイジェリア北東部、チャド南中部まで及びます。サヘル地帯も、かつては「緑の岸辺」と呼ばれていました。昔から遊牧や耕作が行われていましたが、人口の増加に伴い、耕作地拡大のために森林地帯を開墾し、商品作物や穀物の連作、家畜の過剰放牧を行いました。こういった無理な開発を推し進めたため、砂漠化が進んだのです。開墾のために火入れしたり、連作や過剰な放牧を行うと、土地の力が弱まり植物が成長しにくくなります。もともと温暖化による干ばつで雨の量が少なくなりサヘルでは乾燥が進んでいることもあり、砂漠化を推し進めることとなりました。
近年も国連や多くの国際協力団体がサヘル地域の地域環境の回復・保全を進め、住民の生活基盤の獲得を目指して活動しています。難民問題に関して言えば、国連難民高等弁務官事務局(UNHCR)などが中心となって活動しており、これまでにマリ、モーリタニア、ブルキナファソ、ニジェールなどで国内避難民及び難民に食糧支援を行なっています。