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ソーシャルマーケティングとは、通常、株式会社をはじめとした営利組織が実施する購買を促進するためのマーケティングに対して、環境保護や健康促進、貧困削減など公共の利益拡大を目的としたマーケティングのことです。本来のマーケティングとは消費者、顧客に対して購買意欲を促進するための取り組み、プロモーションや販売勧誘を実施することを意味しています。しかし、ソーシャルマーケティングでは、そうした取り組みからの反省、つまり旧来のマーケティングにおける強引な販売勧誘やプロモーション活動、表現などからの反省を受けているのが特徴です。これは、1970年代のアメリカで提唱された考え方ですが、大企業の自己利益追求が原因となり生じた消費者の不利益に対し、企業は道義的責任や倫理的な観点を持つ必要があるとされたことが背景にあります。企業にとってのステークホルダー、即ち株主、顧客、従業員、従業員の家族、企業所在地の周辺住民など、企業を取り巻く利害関係者との関係に対する社会的責任とも言えます。いわゆるCSR活動の中での手法の意味で使われることもあります。
近年では、一定のメッセージや主張を訴えることで、利害関係者に共感を得ることを目的とするマーケティング手法としても使われています。代表的なものとしては、環境保護活動や自然保護運動に対して、自社製品やサービスにおける環境保全の取り組みを伝えることが挙げられるでしょう。そうした取り組みによりブランディング確立を目指すこともあります。また国際的な貧困対策への取り組みに対して、自社製品、サービスに限定せずに企業や組織の姿勢や取り組みを主張する方法も存在します。
SNSにより企業が容易にメッセージを発信することができるようになっていますが、こうしたSNSからの情報発信はソーシャルマーケティングと比較的親和性が高いと言われています。大企業ではなく中小企業でもSNSを使うことで、比較的コストを抑えた発信が容易にでき、社会性の高いことであれば賛同を得やすいという点がポイントです。有効な発信方法とコンテンツを活用することがソーシャルマーケティングを成功させる大きなテーマとなっていくと言えるでしょう。