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UCSDは、1992年に国連環境開発会議(地球サミット)が開かれてから20年目を迎えるのを機に、同じリオデジャネイロを会場にフォローアップ会議を開催しようというブラジル政府からの提案に応える形で、2009年に第64回国連総会にて開催が決定されました。
地球サミットにおいては、「環境と開発に関するリオ宣言」やその実現を進めるために「アジェンダ21」と呼ばれる行動計画が採択されました。また、気候変動枠組条約、生物多様性条約について署名が始められるなど、達成された成果も大きく、地球環境の保全と持続可能な開発に対する考え方の基盤を形成しました。その地球サミットから20年後に開かれたUCSDでは、世界が抱える課題として、エネルギーと資源には限りがあるという「地球の限界」がより明確になり、国際社会において経済成長とともに環境保全を両立させていくことを目指すために、グリーン経済へ移行することが喫緊の課題に挙げらる形になりました。地球サミットからの20年間では、BRICsに代表されるような新興国が経済的に著しく成長したことも注目すべき変化です。
UCSDには国連に加盟している188の国およびEUとパレスチナ、バチカンの3オブザーバーから首脳や閣僚級の人々が参加し、会議の最終日に「我々の求める未来」という成果文書の採択が行われました。次世代の人々へより住みやすい環境を残していくために、環境や開発だけでなく貧困や災害に関するテーマなど様々な視点から協議が行われましたが、世界各国の政府代表団とは別に、地方自治体や国際機関、民間企業、市民からも参加者が集まり、結果的に3万人ほどの参加者が結集したことで、国連の会議では最大クラスの規模になったのが特徴的です。
日本としては玄葉外務大臣と長浜官房副長官といった政府代表団が130名参加して、玄葉大臣による政府代表演説が行われています。UCSDでは完全にペーパーレス化が導入され、各国の代表団や参加者たちは、電子ツールを用いて成果文書交渉を行ったり情報を共有しました。UCSDで持続可能な開発目標(SDGs)に関して活発な話し合いが開始されたことも特筆すべき事項で、政府間交渉についてのプロセス立ち上げについても合意を得ました。