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BRICSとはBrazil(ブラジル)、Russia(ロシア)、India(インド)、China(中華人民共和国)、South Africa(南アフリカ共和国)の頭文字で、これら5ヶ国のことを指します。BRICSは近年著しい経済成長を見せており、今後の世界経済に大きな影響を与える存在になると言われています。BRICSの特徴として、まず人口が多いこと挙げられます。5ヶ国の人口を合わせると約30億人にものぼり、これは世界の人口の約40パーセントに相当します。たくさんの若い労働力と巨大な国内市場を基盤として、BRICS諸国は経済発展を続けています。
もうひとつの特徴としては、BRICS諸国の広大な国土が挙げられます。広い国土にはたくさんの地下資源が存在しており、主な資源として、原油・天然ガス・石炭・鉄鉱石などが挙げられます。これらは資源として輸出され、あるいは国内で消費されることで経済成長の基盤となっています。BRICSは低迷する世界経済の中でも高い成長率を見せており、近い将来にはG6(アメリカ合衆国・日本・ドイツ・フランス・イギリス・イタリア)を追い抜き、世界経済を牽引する存在になると言われています。
BRICSにも負の側面があります。まず格差の問題です。急速に経済が成長したため、富める人と貧しい人との間に大きな経済的格差が生まれてしまいました。また、都市部と農村部の間にも経済的格差が生まれてしまっており、これらの地域間での格差も大きな問題になっています。次に、環境問題が挙げられます。特に大気汚染や水質汚染、産業廃棄物の問題は深刻化しています。日本でも問題になっているPM2.5は中国から風に運ばれて日本列島にやってきている大気汚染物質です。また、汚職も問題になっています。各国の汚職について調査している団体(トランスパレンシー・インターナショナル)は、BRICS諸国は汚職の多い国だと格付けしています。政治的な腐敗を取り除く努力をしなければ、国の経済成長に悪い影響を与えることにも繋がってしまいます。
これらの国は経済のみならず、政治・軍事などにおいても今後世界で大きな影響力を発揮し、存在感を高めていくだろうと予想されています。それと同時に、今の段階においては様々な分野でまだまだ発展途上の国々でもあります。公害問題など、日本を含め先進国が技術やノウハウを提供し、手助けをしていくことが必要とされます。また、成長するBRICSに対し、共に協力してこの世界をより良くしていく努力が各国に求められています。