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緑の革命
Green revolution

1960年代から1970年代にかけて行われた農業改革のことです。

トウモロコシや小麦、稲などの穀類の生産性向上を目指して品種改良を行なった改革のことを指します。英語では、Green revolutionと呼び、また「種子・肥料革命(seed fertilizer revolution)」と表示されることもあります1968年にアメリカの国際開発局長だったウイリアム・S・ガウド氏が、国際開発協会で行った講演で「緑の革命」という言葉を使い、世界的に広まるようになりました。

緑の革命が本格的に始まったのは、1962年フィリピンに国際イネ研究所(IRRI)からだといわれています。この研究所は、ロックフェラーとフォードの2財団の援助により実現しました。さらに、メキシコに国際トウモロコシ・こむぎ改良センターができ、穀物を大量生産できる品種改良研究が行われました。それまでの発展途上国では、昔ながらの伝統的農法が採用されていました。しかし、人口増加に伴い、常に食糧難の危機に直面していました。そこで、改良された品種の栽培と灌漑、肥料、農薬、農業機械などの改革が行われ、食料の生産高を上げることに成功したのです。この改革は、インドやパキスタン、熱帯地域のアジア、メキシコなどにも急速に広がりました。そして、1960年から2000年までの40年間で、穀類生産高は3倍になったといわれています。それに伴い、アジアの地域では40%を超す栄養失調率だったのが、2000年には16%にまで低下されることにもなりました。
その一方で、緑の改革では化学肥料や大量の農薬を投与する必要があり、環境汚染の問題が懸念されました。さらに、莫大な費用を投入する必要があり、地域によっての貧困格差を広げることにもなりました。また、伝統的な農村文化を崩壊させるということで、批判の声も上がりました。

しかし、アジアやアフリカの国々では、いまだに根強い食糧不足問題を抱えているため、「第二の緑の革命」を求める声も上がっています。昨今では、バイオテクノロジーによる品種改良などが行われ、さらなる多収穫種の研究がなされています。しかし、こちらも遺伝子組み換えへの反発などが出ている状況にあります。
なお、メキシコで小麦の改良に携わった、アメリカ人のノーマン・ボーローグ博士は、1970年にノーベル平和賞を受賞しています。

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