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国際協力用語集ワード詳細

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南北問題
North South divide

先進国と発展途上国との間に生じてきた大きな格差に関する問題を意味します。

北半球温帯地域にはアメリカ、ヨーロッパ諸国、日本といった豊かで発展した先進国が多く存在します。それに対し、低緯度地域や南半球にあるアフリカ、東南アジア、南アジア、南アメリカといった地域には、発展途上国と呼ばれる国々がたくさんあります。このおおよそ北と南に分かれている経済的、政治的なギャップのことを、南北問題と呼びます。

南北問題という言葉は、1959年にイギリスのロイド銀行会長であるオリバー・フランクス氏がニューヨークを訪れた際に発した台詞が始まりだと言われています。第二次大戦後の世界は「東西問題」を抱えていました。東西問題とは、旧ソ連を中心とする「社会主義国」とアメリカを中心とする「資本主義国」との間に起きていた問題で、緊張関係や対立が生じていました。しかし、フランクス氏は「今や東西ではなく南北問題が、世界が抱える一番重要な問題である」と指摘し、「先進資本主義国は、発展途上国を援助すべき」と発言したのです。発展途上国を従えることが、東西問題に勝利する道であるという考えもあったようです。
では、そもそもなぜ南北にこれほど大きな格差が生まれたのかという点ですが、古くは大航海時代にまでさかのぼります。先進国と呼ばれる国々は、積極的に海外進出を行って産業革命を起こし、どんどん発展していきました。特に、多くの国が隣り合わせになっているヨーロッパ諸国は、領地争いから戦闘を繰り返し、競争が激しい地域でもありました。経済発展の必要性にも迫られ、そのプレッシャーが豊かな国へと成長を遂げることに繋がっていったのです。それに対し、南側の地域は民族を重んじる国が多く、独自の文化や伝統にのっとって暮らしてきました。19世紀にヨーロッパ諸国が発展途上国の豊かな資源に目をつけ侵略を開始、植民地としました。その後、第二次世界大戦が起こり、東西冷戦中に植民地は次々と独立することになります。けれど、独立したあとも経済格差はますます開く一方でした。南側諸国は北側大国の援助で成り立ってきた歴史があります。しかし、これより北側に依存するという現象も生じてきました。南北問題では、経済的な援助のみならず、人道援助も含めた、南側諸国の発展への協力が必要だと考えられてきました。

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