新型コロナウイルスは人々のからだのなかだけではなく、心の中にまで入り込んできている。その大きな例が、新型コロナウイルス蔓延による家庭内暴力(DV)や育児放棄(ネグレクト)の増加だ。コロナによって学校や幼稚園、保育園が休みになることで、両親(特に母親)は育児により時間と労力を割かなければいけなくなった。令和3年3月、内閣府は成人女性の約4人に1人は配偶者から、約6人に1人は交際相手から暴力被害の経験があると報告した。また、警察庁は令和2年に全国の警察が把握したDVの相談件数が82,643件と、DV防止法施行後最多を更新したと発表した。さらに、いくつかの国の報告にも、ロックダウン期間中に女性や子供に対する家庭内暴力が増加したと述べられている。
この問題は当事者だけの問題ではない。誰一人取り残さない社会を作るためには、全員がこの問題を自分ゴト化し、真剣に取り組むことが必要だ。しかし、コロナ禍におけるDV相談の傾向として「新型コロナへの不安から精神的不安に陥り、相談に行けなくなる」、「在宅勤務や失業等でパートナーの在宅時間が増え、面談や電話での相談ができなくなった」などのケースが目立つようになっている。さらに、新型コロナの影響による失業や減収、就職難は被害者の被害防止や自立への大きな障壁となっている。家から逃げ出せたとしても働く目途がつかず、貧困に陥ってしまう状況、社会問題の悪化が、DVの被害を深刻化させている。
以上の点から、DVから女性や子ども達を守るためには、地域の連携が重要であると私は考える。地域が連携することで、女性や子どもの小さな変化や、「助けて」という合図を見逃さないことができるだろう。私は地域の活動にあまり参加したことはないが、これをきっかけに地域の活動に参加し、地域との連携を実践していこうと思う。