このコロナ禍で私達ができることは大きく2つある。
1つめは感染対策に努めることだ。手洗いやうがい、消毒の徹底、三密となる状況に身を置かないようにする等、ひとりひとりの心がけが自身の健康を守ると同時に家族や友人等大切な人たちを守ることにも繋がる。そしてこの行動は、感染症に一番近い場で日々働いている医療従事者のみなさんの負担を減らすことにも繋がるだろう。
2つめは正しい知識を手に入れ、普段以上に正しい行いをとることを心がけることだ。「〇〇人は感染しやすい。」、「◇◇出身の人のせいで感染が拡大している。」などの根も葉もないうわさや嘘が世界中に蔓延している。この約1年の間に、これらの嘘に惑わされ、特定の国や人へ誹謗中傷する内容を含んだハッシュタグ等がSNS上で出回ったことも少なくない。そこで必要なのが正しい知識とそれに伴う行動だ。コロナ禍でなくとも誹謗中傷や誤ったり極端だったりする情報の流布は問題となっていたが、この混乱期にこの問題はより深刻なものとなっている。そこで、個々人が正しい知識や情報を入手し行動することがこれら差別や誹謗中傷の問題を阻止する。
世界中の人々の中で、医療の知識や腕、人や国家を統制できる程の力を持ってはいる人は限られている。その中で私達にできるこの2つのことは非常に小さい。しかしこれを全ての人が行えばそれは大きな力となる。現在の困難や多くの課題の中、ひとりひとりの心がけこそが何事にも勝る、それら課題に対する特効薬となるだろう。