1概要
2023夏に「カンボジアSDGs海外ボランティア研修」を実施予定の中村高等学校 国際部の渡部先生が、2023年3月に事前視察でカンボジアにいらっしゃいました。
今回、中村高等学校様にご協力いただき、この場で、学内の検討会用レポートをほぼそのまま公開させていただけることになりました!
団体での実施を検討されている学校関係者様や、個人で参加を検討されている方にも、参考になる情報が盛りだくさんで、
「団体実施を考えているけど、視察は行けそうにない」という方も、このレポートを見れば、研修の内容や現地の様子を詳しく把握いただけるかと思います。
本レポートが参加を考えている多くの方の参考になれば幸いです!
中村高等学校様は、2023年夏の海外研修の候補として、ぼらぷらのカンボジア研修と他社様のフィリピン研修とで比較検討されていました。
最終的にぼらぷらの「カンボジアSDGs海外ボランティア研修」を選んだ決め手についても記載してくださっているので、ぜひ参考になさってください。
*日程の都合上、通常6日間の行程を3日間に凝縮して視察していただいたため、訪問先が前後している箇所がございます。あらかじめご了承ください。
*画像はイメージです。
2視察レポート
1日目
(下記、Emailでいただいた内容です。)
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視察1日目の所感を報告したものです。長文になります事、お許しください。
2023/03/22 カンボジア視察
<1日目 戦争スタディ 概要>
①宿、ホテルの ミーティング場所の確認
②キング フィールド
③地雷博物館
④現地病院訪問
⑤宿泊先、別の候補ホテル見学
⑥アンコール小児病院
⑦シェムリアップ市内 公立小学校訪問
⑧夕食場所候補、確認
①宿の候補2件とミーティング場所を確認
→1件目の候補:宿はシェムリアップ市街地に位置するホテルに宿泊。
幾分老朽化しているが、リノベーションの跡あり。
ただ、通りに面するホテル入り口の塀が低く、南国にありがちの入り口にドアはない。
セキュリテイの面で心配が残る。部屋は頑張っているが、窓の鉄格子がない、ドアチェーンが壊れたまま、クローゼットの戸が閉まらず、下に紙を挟んで閉める、など、生徒の宿泊先にするにはいささか不安。
→2件目の候補:ぼらぷらさんが過去に使用したことがあると言う、別のホテルを内覧させて頂いた。
6号線という幹線道路に面し、欧米からのお客が多い。入り口にプールがあり、開放的な様子。部屋を2部屋、内覧。
3階でも窓には鉄格子があり、部屋の中も綺麗に掃除されている。ドアチェーンあり。難点はエレベータがなく、トランクを3、4階まで上げるのひと苦労するやもしれない。
こちらのホテルをリクエスト。こちらが満室の場合に備えて、明日もうひと候補の宿を確認しておきたい。
②キング フィールド ※現地ガイド付き、日本語堪能
→ポルポト時代の虐殺の歴史が寺の敷地内に点在している。
家族の一員が殺された記憶のある方々の伝承記録として、日本語による展示などがある。
敷地内から掘り出された白骨がそのまま展示してあり、こういった物を見慣れていない日本人にはきついかもしれない。
ただ、こういったカンボジアの歴史を改めて知る事でこの国の理解が深まるかもしれない。見学はさせたいが途中の白骨展示は任意見学にするなど、見学の方法は要検討。
③戦争地雷博物館 ※上記と同じガイド付き
→博物館とは言うが、完全に屋外である。屋外に無数の戦車や砲弾が点在し、そのまま展示してある。圧巻。
その傍らに信管が抜かれた無数の地雷が埋まっている場所がある。
実際に埋まっている地雷、戦車や砲弾が屋外に無造作に置いてある様を見るのも、平和の尊さを体験するのではないかと思われる。
④現地病院訪問
→現地邦人やツアー客が怪我、体調不良になった際に使うというロイヤル アンコール国際病院を訪問。日本語専用デスクがある他、日本語通訳医療スタッフが常駐。
時間外はラインでも相談を受け付ける。ドクターヘリが完備され、入院も可。
⑥アンコール小児病院 ※上記ガイド付き
→医療現場の見学という事で、同病院のビジターセンターを訪問。日本人の寄付により設立された。展示物にほ英語、日本語の表記あり。
地方医療が逼迫し、病院に行くまでに1日以上かかる地方があった現状を知った日本人カメラマンが融資を募って、本病院を設立。
⑦市内公立小学校訪問
→明日向かうトレンアップ村の農村部にある公立小学校との格差を知る上で、急遽訪問。8月の訪問時期には学校も通常授業をしており、訪問可能との承諾を得た。
⑧夕食場所候補の散策
→食事も旅の中では大切なもの。昼に日本食があるお店を訪問した。生徒も長旅や不慣れな場所での生活の合間に、故郷の味が安価で楽しめるとほっとするのではないか。
夕食は現地のお店を訪問し、衛生面、立地、治安を確認した。現地ガイド付き。
開放的なお店で、現地のフードを楽しめる。
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2日目
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本日、2日目の所感です。こちらも長文になりますが、お目通し頂けると幸いです。
2023/03/23 カンボジア視察
<2日目 ボランティアを行う学校視察など>
①トンレアップ村小学校
これまで2年間、当校生徒がぼらぷらのオンライン授業ボランティアを行っていた学校。生徒にとって、実際に現地でボランテイアを行い、直に小学生と触れ合うことは大変有益なことである。
シェムリアップ市内から車で約45分から1時間の所にある。幹線道路から外れ、舗装がされていない道路をひたすら進むと村に到着する。田園の中にある小学校で、幼稚園と小学校、小学生寮が同敷地内にある。オンラインで目にした光景が広がる。市内から外れると道路状態も様変わりし、家も全く違う。インフラ整備の格差があることを直に知ることができる。
対応して下さったサン先生から、ぼらぷらさんがこの村にしてきた事、日本から来た大学生たちの現地ボランティアの様子を撮影した短編映画を見て、その功績を理解する。またカンボジアの教育の実態を伺った。保護者の中で最も多い職業は農業、その8割が従事。乾季になると生活のために、子供を親戚や祖父母宅に預け、タイやシェムリアップ市内に住み込みで出稼ぎに行く。教育より労働を重視する保護者が多い。日本語や英語を習得することで、子供たちの将来の道が広がる。ガイドとなり、働く者、教師になる者と様々。農業以外の職種選択が広げる手助けとなっている。
授業ボランティアをするだけではなく、教育の現状や子供たちを取り巻く保護者の考えなどを知る事はより理解が進む。
②トンレアップ村散策
小学校の近所の家庭を訪問、ゲストハウスとまではいかないが、ホテルと違う現地の生活が広がっていた。
村の中には2階建の豪勢な屋敷があったが、ガイドの方の話だとタイへ出稼ぎに行かれた方のお宅とのことであった。
トイレはカンボジア式、便座の横に水溜め場があり、それを自分で汲んで流す。このトイレの水溜め場はトイレ以外にもシャワー代りの水浴び場所でもある。
道路は舗装されておらず、雨季にはぬかるむこともあるとの事だったが、道がある事が有難く、それを大切にしている現地の方々の思いを知る事ができる。
③日本のODA
シェムリアップ市内に滞在しているが、水が綺麗で湯量も豊か。これは日本からのODAにより、浄水場やタンクが整備され、衛生的でコンスタントな水の供給ができている。水が衛生的であることにより、汚水を飲み病気になることもなく、人の命を綺麗な水が繋いでいる。
④アンコール アイ
こちら日本の北九州市より移築した観覧車。常に動いているのではなく、お客が来ると、回し出す。貸切観覧車。高い建物がなく、眼下にはシェムリアップ市内が広がる。日本とのつながりを体感できる他、広大な景色が広がり、旅のまとめに良い場所ではないかと感じた。滞在日の最終日、夕焼けで赤く染まる市内や自然を体感する良い施設。
⑤現地のスーパーマーケット確認
現地の方も使われるが、移住者や外国人の利用が高いスーパーを散策。現地で出される食事だけではなく、自分で食べたいものを選択して食べることにより、異国での疲労も軽減されると思われる。日本の製品が充実しており、海外の生理用品は苦手だという声も邦人から聞かれるがその心配はない。生理用品も日本の物が充実している。ドレッシング、ボディソープなど海外製品が苦手な生徒も適応できると思われる。
⑥別Hotelの確認
市内で行事が行われいる期間を除けば、満室になることはないとのことであったが、念のため別Hotel、昨日行ったHotelと同系列のHotelを視察。
こちらも清掃が隅々まで行き届いており、窓には鉄格子、備品もあった。
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3日目
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この度の視察では詳細までお心使い、ありがとうございました。
決定次第、またご連絡を致します。
カンボジアで私が感じた事を伝え、本企画が通るように進めたいと思います。
以下に3日目の報告書を載せましたので、お目通しいただけると幸いです。
お世話になりました。今後とも宜しくお願い致します。
渡部
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2023/03/24 カンボジア視察
<3日目 商業、産業、観光地など>
①シルクファーム →コロナの影響で休業のため、同系列店へ移動
カンボジアの産業のひとつ、織物、工芸などが一度に観れる。最後にお土産店がある。オーナーがフランス人とのことで、洋風にアレンジされた品々が並ぶ。
価格帯はいささか現地では高めという事であったが、質も良く、高校生が好きそうな雑貨が並ぶ。休憩場所があり、カフェで休む事が出来る。トイレは水洗、洋式。
②アンコールクッキー
現地の雇用拡大とアンコールワットらしいお土産がないことに着目した日本人が経営するお店。
店内に入ると先ずお茶と試食のクッキーが次々と渡される。スタッフは全員日本語が堪能。価格帯は7ドル〜と買い易い。小分けの袋を渡されるなど、日本のお店といった感じ。
③オールドマーケット
衣類、八百屋、魚屋などの日常品が並ぶマーケット。治安だが、オールドマーケットの奥に八百屋、魚屋などが入るためか、現地人が多く、かなりの混みよう。
スリなどに要注意。そのため、中には入らず、道路に面した見渡しやすいお店で自由行動を取ることも可能。道路に面したお店の数も多く、浅草の仲見世のような感じ。
道路の反対側には外資のカフェが並び、そちらも楽しめる。
④トゥクトゥク乗車
カンボジアの交通手段のひとつ、トゥクトゥクに乗車。バイクの後ろに4人が乗れる席がついている。
時速10〜20キロ位の速さで、市内の様子が風と共に感じられる。バスや車からの車窓とは違った現地の雰囲気を味わう事ができる。
⑤昼食場所見学
カンボジア料理が中華風にアレンジされた現地のお店を訪問。カンボジアの伝統料理と共に、生徒が食べやすいであろう料理をいくつか注文し、試した。
カシュナッツの炒め物や空芯菜、酢豚、海苔と卵のスープの辺りが食べやすいため、この辺りを4人でシェアする構想。
ナッツ類などの食品アレルギーがあるので、事前に連絡すれば、アレルギーがある食品を除いた食事をお願いすることも可能。
⑥アンコールワット遺跡巡り
通常は1日かけて、遺跡を巡ることが一般的であるが、ポイントを押さえて3時間で観光。コースは以下の通り
1)アンコールワット
2)アンコール トム
3)バイヨン
4)タ ブロム
アンコールワットが1時間以上、暑い中でかなり歩く。それから車で移動して次の遺跡へと向かった。
現在のプランだと生徒は最終日にここを訪れることになり、疲労も溜まっているので、過度なスケジュールは避けたい。アンコールワットともう一ヶ所でどうだろうか。
⑦カンボジア式マッサージ体験
タイ式マッサージと変わらない。高校生のニーズに合うかはいささか謎だが、遺跡巡りで歩き回った後のマッサージは疲れが取れるのは確か。
全身と足裏があるので、どちらか予め選択させると良い。農村部からの出稼ぎで、女性たちはマッサージ師として働くとも聞くので、それがどのようなものか、体感するも良し。
⑧ナイトマーケット
夜の市場の治安が心配で車を降りたが、意外にも昼間のオールドマーケットより、治安は良い感触。
全てが路面店であり、ひらけていて見渡しが良い。南国のライトアップは独特で、日本とは違った文化を感じる上に楽しいものでもあるので、少しの距離だけも体験させても良い。
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3帰国後~決定
■決定理由
フィリピンのプログラムはアメリカなどで実施するような英語で討論するようなプログラム+視察で、フィリピンでしかできないような内容ではなかった。
ぼらぷらさんとはこれまでも「オンラインSDGs海外ボランティア研修」を一緒に実施してきており、
生徒たちがオンラインで授業を行ってきたカンボジアの小学生に、現地で直接授業ができる点が良いと思った。
その他にもスタディの内容やSDGs研修、小論文コンテストや修了証書など、事前事後の研修が充実していることも魅力のひとつ。
宿泊先や安全面も、実際に現地を見たことで、生徒たちを安心して連れて行けると感じた。
■その他要望
・アンコールワット観光は全部回ると暑さで疲れる+どの遺跡も似たような感じなので、アンコールワット+アンコールトムのみとしたい。
・マッサージについて、全身だともみ返しがあったりするので、足から下だけがよさそう。
・宿泊先は2件目に行ったホテルを第一希望、2日目に行った別のホテルを第二希望としたい。
「カンボジアSDGs海外ボランティア研修」は、2023年度の団体・個人の参加希望を受け付けています。
ご関心がある方は、まずはLINEまたはお問い合わせフォームより、お気軽にご相談ください!