ツーズー病院の平和村
Peace Village in Tudu Hospital
1概要
枯葉剤とは?
みなさん「枯葉剤」って知っていますか?
その名の通り、除草剤の一種なのですが、ベトナム戦争時に撒かれ今も子どもたちなどが深刻な影響に苦しんでいます。
ベトナム戦争に使用されたものは副産物としてTDCCという非常に毒性が強い物質が生成されるため、日本では使用が許可されていないそうです。
枯葉剤がベトナム戦争で使用された表向きの理由はマラリア蚊などの退治とされましたが、実際は隠れ家である森林や農業地の枯渇が目的であったと言われています。
枯葉剤の影響で、たくさんの子どもが障害を持って生まれました。身体が変形して生まれた子ども、何の罪もない彼らが小さいうちから寝たきりになってしまったり亡くなってしまう現状があります。
ベトさん・ドクさん
枯葉剤は知らないけど、ベトさん・ドクさんは聞いたことある!という方もいるのではないでしょうか?
ベトさんドクさんは下半身が繋がった結合双生児として生まれました。上半身は2つ、下半身は1つ。枯葉剤の影響と言われています。
ベトさんが意識不明の重体になった際、なんとかドクさんだけでも助けようとツーズー病院で2人の分離手術が行われました。
日本赤十字社が支援し、ベトナム医師に日本医師も混じって大手術が行われ、無事成功しました。
手術後にベトさんは寝たきりになってしまいましたが、ドクさんは学校に通いツーズー病院の事務員として、また父として生活をしています。この手術とその前にもドクさんの手術のために来日していたりしていたためか、ドクさんは日本語も少し話せ親日らしいですよ!
みなさんも運が良ければツーズー病院で直接会えるかもしれません。
ツーズー病院
ホーチミンにある病院で、ベトさん・ドクさんが分離手術をしたことでも有名です。
平和村はその一部になりますが、1990年に設立以来400人ほどの子どもたちが暮らしてきました。今は0歳から15歳までの60人ほどが暮らしています。
平和村にはベトナム全土で300万人いると言われる枯葉剤に影響を受けた人々の中でも症状が重い子たちが暮らしています。脳と身体の障害に苦しむ子どもたちに、家と治療、学校とトレーニングを提供しています。
子どもたちの中には孤児の子もいますが、両親がいても障害のために見放されこの病院の前に置き去りにされていた子もいるそうです。
そんな子どもたちに愛のあるケアを与えるため、平和村は活動しています。
2現地の様子
ツーズー病院、孤児院の子どもたち
平和村には、枯葉剤の影響を受けて生まれたたくさんの子どもたちが暮らしています。頭が膨らんでいたり目が飛び出していたり最初はとてつもない衝撃を受けたとおっしゃる方が多いです。 しかし、それと同じにみなさん口を揃えておっしゃることが「障害があってもなくても、子どもは子どもだった」ということ。 また、みなさんに訪れていただく孤児院にも、両親がいない子だけではなく、枯葉剤の影響による障害を理由に親が育てられず預けられている子もいます。
活動の様子
平和村を見学し、子どもたちと交流していただきます。いろいろ感じること、考えることがあると思います。運がよければドクさんにお会いできるかもしれません!
3参加者の声
“彼らは皆本当に元気で、「枯葉剤の影響を受けた」という言葉に余計な想像を作り上げていた自分を恥ずかしく思いました。”
“姿形や環境は違うけど、純粋に「こどもだ。」って思った。”
“枯葉剤の影響を受けた人や家がない人がまだまだ沢山いることを知りました。しかし、そんな状況下であっても子どもたちは決して今の環境に文句を言わず、頑張って毎日を生きていました。”
“孤児院や病院での活動中、目が無い子どもや寝たきりの子どもとどう接するか迷いました。とにかく色々やってみたのですが、彼らがなにかしらの反応を返してくれた時は、気持ちが通じたようで本当に嬉しかったです。”
“ボランティアは初めてで、病気の子を相手するのは正直不安でした。孤児院にいる子どもたちも学校のみんなも笑顔で迎えてくれてすごくうれしかったです!”