海外ボランティア募集！大学生・高校生・社会人にオススメ。春休み夏休みも通年開催。

　私はオンライン研修を受けSDGｓを達成する上で最も重要なことは「誰ひとり取り残さない」という理念の実現であると考えた。そしてそのためには想像力を持って行動を起こすことが不可欠であることを知った。
　新型コロナウイルスという新たな脅威が世界に蔓延し問題の改善ではなく修復への取り組みを余儀なくされた今、一個人である私たちもこれまでに経験したことのないような危機にさらされている。このような状況下で私が最も危険だと考えることは想像力の欠如である。先進国の経済は大きな打撃を受け今までのような生活が出来なくなってしまった人は日本にも多くいる。こういった危機は視野を狭め世界には自分たちより困難な状況にいる人たちがいるという事実に気付くことを難しくさせてしまう。そこで「誰ひとり取り残さない」持続可能な社会を実現するためにまず想像力を持って考え、そして行動を起こすことが必要であると感じた。誰ひとり取り残さないためには誰が取り残されているのかを知る必要があるからだ。
　私は恵まれた環境で育ち十分な教育を受けながら２０年間不自由なく暮らしてきた。身近な人たちも皆同じような生活をしているため、世界には様々な理由から厳しい生活を強いられている人々が数多くいるということは知識として知っていたがどこかで他人事と考えてしまい実感することが出来ずにいた。世界はどのような困難を抱えていてそこにはどのような人たちがいるのか自分の目で見て確かめたいという思いからカンボジアスタディツアーに参加し、その考えは大きく変わった。カンボジアの小学校で子ども達と触れ合う中で最も衝撃を受けたことは彼らの笑顔である。貧困の村という暗いイメージから私はボランティア活動を通して子ども達に元気を与えたいという思いを抱いて日本を出発した。しかし、それは単なる私のエゴであったことがすぐに分かった。彼らの明るく輝く笑顔や人懐こく話しかけに来てくれる様子、日本語を熱心に学ぶ姿からむしろ私が大きな力をもらった。そして帰国後SDGｓについて学んでいく中で、あの村にたった一軒のあの小学校がなければあそこにいた子ども達は学ぶ権利を得ることが出来ず学校に通う時間に労働をして私が見たあの笑顔は存在しなかったかもしれないと思うようになった。そしてそんなことは決してあってはならないと思うと同時に今まで机上の知識でのみ知っていた貧困が巻き起こす様々な課題の恐ろしさを初めて実感した。カンボジアでの経験は私が世界の問題に対して想像力を持つきっかけとなったのだ。
　地球が抱える問題を解決する手段を持つ私たち人間は地球上で唯一想像力を持ち行動を起こすことが出来る生き物である。その想像力を使って人や環境、未来を救える選択肢はいくらでも生み出すことが出来るはずだ。私はスタディツアーとオンライン研修を通し想像力を持ってまずは課題を知る努力をすることで世界の見え方が変わってくることを学んだ。SDGｓは国を率いるリーダーや企業だけが取り組むべき課題ではない。公共機関を積極的に使ったりエアコンをこまめに止めることでCO2の排出を抑えたりSDGｓに取り組む企業の製品を選ぶことなど個人で取り組めることは多岐に渡る。何よりも一番大事なのはSDGｓを多くの人に広めることだ。一人一人の力でも達成に近づけることが出来るSDGｓは言い替えれば全人類が行動しなければ達成することができない。私にとってSDGｓは世界と私を繋げてくれる架け橋となった。SDGｓを広めることで同じようなきっかけを得る人が増え「誰ひとり取り残さない」世界の目標へ向かう一つの力になることを切に願う。