『責任ある消費行動を』
SDGsという17の目標により、世界は持続可能な地球を目指して日々努力しているが、未だ課題はたくさんあり、より一層の行動を求められている。そういった状況で、一人の努力では非力であっても人数が集まると大きな力となる。そこで、特にモノの消費と食について焦点を当て、より良い地球を取り戻すためにできる個人の対策について、以下詳しく論じる。
モノの消費と食は私たちの生活に必要不可欠であり、少しの意識の変化で個人がSDGsに貢献できることの一つである。そこで私は、ニつの対策を提案する。一つ目は、計画的な購買行動と、積極的にサステナブルラベルの貼られている商品を購入することである。現在、日本の食品ロスの量は年間約632万トンを記録している。世界には飢餓で苦しんでいる人が多く存在し、5歳未満の子供の4人に1人が栄養不足に苦しんでいる。また、大量生産、消費、廃棄も深刻な社会問題となっている。この現状を変えていくために、一人一人の購買行動を見直す必要がある。非計画的な購買行動には4種類あり、その中でも特に、純粋衝動購買を控えることでモノや食品の廃棄の削減に繋がる。非計画的な場合、同じものを複数購入して、賞味期限が過ぎてしまったり、そのまま廃棄してしまったりする可能性がある。純粋衝動購買を控えることに加え、サステナブルラベルの貼られた商品を購入することで、環境にもやさしく、発展途上国の人々の生活を援助することにも繋がる。全国15歳から69歳の男女3206人を対象に、2020年に行われた調査では、環境や社会に配慮した商品・サービスを利用していると回答した人は36.2%に留まっており、あまり普及していない。フェアトレードの商品などは比較的値段が高いため、購入を躊躇う人も多く存在する。しかし、持続可能な消費と生産はすべての人に基本的なサービス、やりがいのある仕事、生活の質の向上を提供することに関わってくるため大切なことである。エシカル消費を心掛けることが、大きな一歩であると考えられる。
二つ目は、衣類の回収ボックスやフリーマーケットアプリの利用をすることである。近年、ユニクロやジーユーなどのファストファッションが流行し、安価な値段でデザイン性のある洋服を購入できると、学生を中心に人気が高まっている。ファストファッションを手掛ける企業自体がSDGsを意識した経営を目指すようにはなったが、未だ、服が大量に廃棄されていることも事実である。ユニクロでは、店頭にユニクロの製品の回収ボックスを設置して、回収された洋服を世界の子供に届ける取り組みを行っている。2020年8月の時点で、75か国に4111万店の衣類を届けており、世界中の子供が清潔な衣類を身に着けることができている。フリーマーケットアプリを利用して、着なくなった服を誰かほかの人に譲ることも効果的である。国内フリーマーケットアプリ最大手のメルカリが行った調査では、アプリを始めたことで、郵便局やコンビニ、百円ショップなどの利用が増え、経済にも良い影響を与えていることが分かった。服の廃棄量を減らすことだけでなく、経済効果までも期待できるのである。一人一人がリデュース、リユース、リサイクルを意識することで、大量生産、消費、廃棄に歯止めをかけることができるのである。
計画的な購買行動、サステナブルラベル商品の購入、衣類のリサイクルは、私たちの生活をより豊かにするだけでなく、私たちの住む日本や、世界の国々に住む人々を助けることにも繋がるのである。また、モノの消費と食についての対策が、SDGsの様々な目標に関わっているため、私たちの少しの意識の変化で、予期しなかったような良い影響も生み出すことができるのである。