『飢餓と食品ロスとSDGs』
世界には「飢餓」という大きな問題がある。SDGsの課題にもなっているほどだ。しかし日本は飢餓が大きな課題としてあがっていないし、私たちが日本に住んでいてあまり危機を感じない。それどころか日本は食品ロスが問題になっている。世界には食べ物がなくて困っている人がいるのに、日本は食べ物が余って環境問題に発展している。これは大きな矛盾である。私はこの矛盾がSDGsの目標達成の大きな鍵になっていると考える。
まずは世界の飢餓の現状についてだ。現在世界では9人に1人、約8億もの人が飢餓に苦しんでいる。また4人に1人が深刻な栄養失調状態である。飢餓の原因として一つ目は自然災害によるものがあげられる。農作物や田畑が被害を受け、経済的にも物理的にも食料を手に入れられなくなる。二つ目の原因として紛争によるものがあげられる。日本ではまず起こらないことだが、飢餓に苦しんでいる約8億人のうち約5億人が紛争のある地域で暮らしている。三つ目の原因として慢性的な貧困があげられる。慢性的な貧困とは教育、食料、医療、水など生きていくうえで最低限必要なものが常に欠けていることである。三つの原因を挙げたが、世界の飢餓問題はSDGsの課題「1.貧困をなくそう」「3.すべての人に健康と福祉を」「4.質の高い教育をみんなに」「6.安全な水とトイレを世界中に」「11.住み続けられるまちづくりを」「13.気候変動に具体的な対策を」に影響している。もしくは影響されている。
次に日本の食品ロスの現状についてだ。日本の1年間の食品ロスは約610万トン、東京ドーム約5杯分であるといわれている。これは国民1人当たり毎日お茶碗一杯分の食料を捨てていることになる。また食品ロスにより環境への影響も出ている。捨てられた食品ごみは処理工場に運ばれ、可燃ごみとして処分されるが運搬や焼却の際に二酸化炭素を排出していまい、地球温暖化に大きく影響する。また焼却後の海の埋め立てにも環境に良くないことである。この日本の食品ロスはSDGsの課題「11.住み続けられるまちづくりを」「12,つくる責任つかう責任」「13.気候変動に具体的な対策を」「14.海の豊かさを守ろう」「15.陸の豊かさを守ろう」に影響している。
このように世界の飢餓問題、日本の食品ロスを解決することは他のSDGsの目標達成に大きく繋がることが分かる。SDGsはバラバラの目標のように見えて、すべて連鎖するようなひとつの円のようになっていると考える。だから飢餓と食品ロス問題の解決を考えることが大切になってくる。例えば日本で余ってしまった食品を飢餓で苦しんでいる人々に届けるシステムを作れば最初に話した大きな矛盾をメリットに変えることができる。矛盾が存在するからこそ問題が解決しやすくなるのかもしれない。そして食品ロスと飢餓の問題を解決すれば、貧困の問題、環境の問題を解決へと導けるように、いつの間にか他のSDGsの目標とも繋がり世界がよりよくなるのではないかと考える。SDGsの最終目的「17.パートナーシップで目標達成しよう」は一人一人の小さな行動がいつか大きないい影響を及ぼし世界を変えるという意味だけでなく、SDGsの目標同士も繋がりを活かし、助け合いながら目標達成したいという願いが込められているように私は感じた。