『災害と共に生きる』
国公立1年6組 39番 山田桜
私は日本各地で起こっている災害について、国民や政府など日本全体でより真剣に考えるべきだと思う。今回の高校でのポラプラ研修、そして1本のドラマが私にとって、事前災害について考えるきっかけとなった。
最初に研修の中で、私はとくに台風と自身の災害について詳しく調べた。まず台風について、日本ではここ30年で大雨、豪雨による被害が1.6倍に増加している。これだけ聞くと特に大したことないような気もするが、実はかなり危険な増加の傾向で、増加の原因である温室効果ガスにが今のままの高いレベルで排出され続けられれば、今世紀末には大雨の日数、ゲリラ豪雨の数など、台風に関する被害は20倍以上にも上るだろうの予測がされている。実際に2013年〜2020年までの7年間で大雨特別警報が出た災害では、たった7年間で約400人の方が亡くなった。もう既に、台風や大雨などの災害は”たまに”起こるもの、では無くなっていて私たちは常に自然災害の危機に晒されていると言っても過言ではないと言えるだろう。しかし、フリエ住まい総研が行ったアンケートによると、近年の台風に対する防災意識は変わらないと答えた方は43.9%、自宅で出来る対策を行っているかという質問に対しては46.5%の方がいいえと答えている。次に地震について、2011年に起きた東日本大震災を筆頭に、2016年には熊本大地震、今年2021年にも福島県で187人の負傷者が出る地震が起こっているまた、南海トラフによる大地震も危惧されており、国の地震調査会によると、起きる確率は今後30年で70〜80&%と予想されており、コロナ禍の今起きることがどれほどの被害に繋がるかと心配の声が上がっている。一方で、東北、関東に在住している方々を中心に行われたアンケートによると、自然災害に対して不安を感じているか、震災の記憶や教訓が忘れがちになっているかという質問に対してはどちらの質問でも50%を超えたものの、震災時に家族と連絡する手段、集合場所を決めているかという質問には決めていない方々が46.7%、減災・防災対策を何も行っていないという人が約10%近く見受けられた。2つの災害について共通して言えることは、意識はしているものの、実際の行動に移せていない人が大半だということだ。さらに理由にも、時間がなかったから、タイミングがないからと言ったすぐ解決出来るような理由で対策を行っていないというもったいない状況にもなってしまっている。さらに、政府の対策も地震の観点では緊急地震速報が出される、地震が起きた時に私たち自身がどうするかなどの注意喚起などが掲載されていますが、緊急地震速報は数十秒以内に地震が発生するという速報で、数十秒で避難することは難しく、また私たちに向けた取り組みもほとんどの方が一般常識としては身についていないことがほとんどであったり、まだまだ認知度が低いと言えると考える。
そこで私は、物理的に対策できることはないかと考えた。具体的に、まず1つ目は電柱を地下に埋めること、だ、現状日本では無電柱化にかなり遅れをとっていて、ロンドンやパリなどのヨーロッパが100%香港や台北なども90%以上であるのに対して、日本ではわずか6%しか進んでない、無電柱化によるメリットはとても多く、歴史的建造物などがある地域の景観の保護、台風・地震などといった災害対策、更には資産価値の向上まで期待できるという結果も出ている。そして私はそこからもう少し踏み込み、電柱を地下化した後、その代わりに木を植えてはどうかと考えている。緑が増えることでリラックス効果にもなり、今抱えている地球温暖化の原因となる温室効果ガスの減少にも役立てられると考えたからだ。2つ目は、台風に対する対策で、川に流れた大量の水を川の底に穴を開け、自動的に排水する機能を作るというものだ。川への対策は河道掘削を行い川の水位を下げるという対策も行われてはいるが、これも津波や大雨の量が増えてしまえば意味がなくなってしまうだろう。そこで、水を排水しさらに地下で浄水した状態で貯水しておき、災害時に飲料水としても活用出来るようにするというものだ。これらのように設備を整えることにも焦点を当ててみることが重要なのではと私は考える。
今までは世間一般も私たちも、災害に対しての意識を高めることが重要だと考えていたが、今回調べて見て近年被害数が増加していること、また今TBS系列で放送している「日本沈没」というドラマでも類似した内容が描かれている。原因は違えど、タイトルの通り日本は沈没が始まり大規模な災害が起きてしまう。主人公は政府に懸命に対策を仰ぐよう動いていたが、結果対応が遅れてしまう事になった。もうドラマの中だけの話では無いかもしれないと強く実感した。“意識”から”行動”へ移す時が、いや、移さなければいけない時が来ている。明日は我が身かもしれない、そう思うと今から動き出してみても遅くはない。災害と生き、100年後も、その先も続いていける未来にするために、今一歩踏み出して欲しい。