『私にできる支援とは』
SDGsが掲げる目標において、私は一市民、そして一教員として、多方面の観点から解決に向けたアプローチができると考えている。
一市民として環境改善や保持を意識して生活をしたり、社会活動に参加して環境問題に関わる活動をしたりすることにより、取り組みを充実させ、環境への意識が一層高まると思う。そして、こうした実践を教員として子供たちに伝えることにより、実践的で具体的な方法を紹介すると共に、子供たちと一緒に取り組むことで環境問題に触れる良い機会へと繋がると期待している。
一市民としての活動には2通りあると考えている。それは、個人的な活動と社会的な活動である。
前者は、日常生活で環境を配慮した取り組みを示している。電力や水の消費、ごみの処理方法、フードロスといった観点で、無駄遣いをしないように日頃から心がける姿勢が大切である。
後者は、社会全体の環境改善や保全に向けた地域発の取り組みを示している。CO2削減をねらいとした植樹活動や、住み良い街づくりのためのクリーン作戦等が挙げられる。こうした活動に参加することで、地域・社会の一員としての自覚が芽生え、環境を配慮する意識が一層高まることが考えられる。また、参加人数が増えることで支援の輪を広げ、長期的な取り組みとして実践されることで、大きな成果となって現れることも期待できる。
近頃は、SDGsを題材としたイベントも増えてきているため、こうした活動に積極的に参加することも支援の1つではないだろうか。
私は大学時代に、スリランカを訪れ、女性のエンパワメントが発揮されている場を訪問した。そこで働く女性たちは、内戦で未亡人となったり、夫が出稼ぎに行き家庭を1人で守っていたりするために生活が困窮しており、貧困が大きな問題となっていた。そこで、彼女たちがもつ刺繍の技術により、その土地ならではのデザインをモチーフにしたアクセサリーや小物を海外で販売し、そこで得た収益が彼女たちの収入に結びつく取り組みを見ることができた。こうしたフェアトレード商品の販売が、彼女たちの貧困の脱却へと繋がったと共に、やりがいと働きがい、やがては生きがいへと発展させていた現状に、女性のエンパワメントの可能性の大きさを感じることができた。これがきっかけで、今でもイベントに参加し、商品を買う支援を継続している。
よって、一市民としての活動を基盤に、一教員として発信し続けられる立場でありたいと思う。そのためにまず、身の回りの生活を見直すことから始めていきたい。早速取り組んでいるものとして、外出時はカトラリーセットを持参し割り箸を使わないことや、食品は食べる分だけを買うことが挙げられる。一つひとつ達成し定着できると楽しさを覚え、さらに視野を広げて活動を充実させたいと思うようになった。
そして、こうした実体験を生きた教材として、発信することに大きな役割を感じている。実践例として、フードロスの観点で授業を行った。スーパーで大量の食品が廃棄されている写真や、彼らと同世代の子どもが飢えで苦しんでいる写真を提示した。写真一枚で、彼らが考える世界の現状と、自分達にできることに関する発言は、とても説得力があり、課題解決に向けて意見を出し合うきっかけとなった。そのうえ、当日から給食の残飯率が減少傾向になったことも成果として挙げられる。
以上の活動例を踏まえ、引き続きSDGsを意識した生活を自ら取り組み、発信し続けることで、支援の輪を広めることが使命であると考えている。
世界中にSDGsの目標を掲げる人々が増え、小さな取り組みでも行動に移すことが、やがては大きな成果に繋がると確信している。