[ぼらぷらSDGs小論文]

わたしのSDGsアクション

『SDGs達成のために今私ができること』

小論文

『SDGs達成のために今私ができること』

(800~1500字でまとめていただく様式です。)

 SDGsの17項目の目標1は「貧困をなくそう」というものだ。正直、私はこれまでこのゴールについてぴんときていなかった。なぜなら、日本では国や地域の基準の中で比較的貧しいという相対的貧困しか問題にならないからだ。月謝の高い塾に行かせてもらえないとか、好みの高級食材ばかり食べさせてはもらえないということはあっても、お金がなくて中学や高校に行けなかったり、お腹を空かせているような友人は、少なくとも私の周りに一人もいなかった。
 2022年8月 、最低必要条件の基準さえ満たされていないという絶対的貧困を、私はフィリピンで見た。痩せ細っているのにぶかぶかの服を着た子供達、至る所にあるゴミの山、境目も分からないほどに密集している住宅、塵芥で溢れかえり異臭を放つ川、四畳ほどの空間にひしめき合う人々、この信じがたい光景は私にとって大変な衝撃だった。フィリピンの中でも観光地として知られているセブ島、この華やかなリゾート地の裏にあるこうした現実は、私の胸に深く突き刺さった。と同時に私は、ここで初めてSDG sでいう「貧困」を本当に理解できた気がした。
 近年、フィリピンでは経済成長が進んでいる。それに伴い、都市部開発も進んでいる。しかし、その周辺にスラム街は多く、貧富の差が激しい状態になっている。実際に富裕層が全世帯の1%、中間層が全世帯の9%、貧困層が60%、最貧困層が30%というデータもある。このデータは貧困層が全体の90%を占めていることを意味する。さらに、フィリピンの人々のなかで13%は100万ドル以上持っているにもかかわらず、残りの87%は1万ドル以下の資産しか所有していない。何故こんなにも経済格差が出来てしまうのか疑問に思う。
 こうした現実に私ができることはなんだろう。大きな力を持たない私が今できること、それはこの現状を広めることではないかと思いあたった。相対的貧困しか知らない人たちに絶対的貧困を知ってもらいたい。と同時に、私がそうであったように、フィリピンでこの様な環境から子供達を助けようとしている活動にも興味を持ってもらいたいと思う。
 私自身、多くの日本人なども関わっている貧困救済の活動を知った。そのひとつは、セブンスピリットという団体の活動だ。居場所のない子ども達が集まり、楽器を練習し、その演奏を披露するという活動を行なっている。この活動を通して、義務教育さえ受けられない子ども達に社会生活を学ぶ機会を与え、人間的成長を促して生きていく目標を与えるという支援である。他にも、Anaya’s ホームという、スラム街に孤児院を建て、ご飯が食べられない子や学校に通えない子に食事と教育を提供している団体もある。
 貧困の現状と、それを無くそうとする多くの活動を知ってもらうことにより、より多くの人々が関心を持ち、また活動を支援するきっかけになればいいと思う。
 私は今、SDGsの17項目の目標1「貧困をなくそう」というゴールのスタートラインにやっと立った気がしている。2030年までの目標達成に向けて、私にできる小さな努力を積み重ねていくこと、そうすることで2030年までの目標達成が叶うと信じて進んでいきたい。

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