『SDGsウォッシュについて』
現在日本でもSDGsという単語が普及しているが、日本人全体の認識はとても表面的なものではないか。
実はSDGsというワードの影に「SDGsウォッシュ」という言葉が存在している。
まずSDGsの前身として、MDGs「ミレニアム開発目標」というものが存在していた。
簡単に言えば、先進国が途上国へ向けて、援助をしていこうという2015年までの目標であった。
SDGsは先進国だけでなく、私たち1人や各企業に対しても、経済・社会・環境という3つの側面へ向けた国際の課題である。
SDGsはMDGsと比べより多くの人々へ向けた課題であったため、日本でも浸透したとも考えることができる。
いまは日本企業のホームページを調べても、SDGsに向けた取り組みについて掲載されている。しかし、より多くの人々に浸透したことによって、それを逆手に利用し、SDGsとは逆の方向へ民衆を先導しようという動きがある。
例えば12番の「つくる責任 つかう責任」についてだ。これはリサイクル活動が該当し、SDGsに取り組む企業も自社製品にプラスチックや紙製品のリサイクルについてをPRしているが、リサイクルは新しく製品を生み出すよりも火力などの莫大なエネルギーが必要である。
7番の「エネルギーをみんなに そしてクリーンに」を侵害しているため、本来のSDGsとは言えない。
こう言ったSDGsを掲げながらも経済活動を優先し、実態が伴っていない企業を「SDGsウォッシュ」と呼ぶ。このウォッシュはホワイトウォッシュ、つまり白い塗料のことで、 「外側だけを白く塗って見繕う、誤魔化す」という語源から他にもガスの排気量を抑えるために電気自動車を普及させようとすると、原料であるレアメタルを巡って、途上国の環境や健康が脅かされてしまう。
私たちが何気なく自動販売機でペットボトル飲料を購入したり、100円ショップや服屋で商品を購入するが、その影でどのような人が苦労しているのかと見ることがない。