[ぼらぷらSDGs小論文]

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『おもてなし大国日本は世界を変える』

小論文

『おもてなし大国日本は世界を変える』

(800~1500字でまとめていただく様式です。)

 食品ロスと貧困が同時に存在する社会に私たちは生きている。食の不均衡、この問題は日本の良さを引き出すことによって変わるのではないか。そして、その良さは世界に通じる強みになるのではないだろうか。
 私の思いに火が付いたきっかけは、去年のカナダ留学だった。通学路にあるスーパーマーケットの横には、いつも同じ人が座っていた。「give me food」という看板を持つホームレスのおじさんを横目に見ながら、私は毎日通り過ぎていた。正直つらかった。ある日、私はそのおじさんと話してみようと思った。はじめは怖かったけれどスーパーで買ったマフィンを手渡すと、「thank you」と笑顔で受け取ってくれた。少し話してみて、私たちと何も変わらない、温かい心を持っていることを知った。それから私は、食の不均衡をなくしたいと強く思った。
 日本でも、コロナ禍が食の不均衡に拍車をかけている。食料支援を望む人の数が、コロナ禍の前の40倍にもなっているのだ。というのも、食料支援を行う、あるフードバンクに届く支援のお願いが、2019年には12件だったのが、2021年には500件にも上ったそうなのだ。そんな中でも、毎日大量の食品が廃棄されている。日本のコンビニはサービスが素晴らしく、いつでもどこでも何でも買える。お客さんのことを一番に考える日本のサービス精神、おもてなし精神は、留学に行ってより一層誇れるものだと思った。しかし、よく考えてみてほしい。お客さんを第一に考え、何でも買える状態を保つには、その分商品をたくさん仕入れなければならない。売れない商品が増えると、捨てる商品も増える。ある調査では、食品を捨てるストレスが原因で退職した人が4割もいたという。中にはうつになった人もいる。グローバル化が進む中、これはコンビニでバイトすることの多い在日外国人のストレスになるし、日本の印象を損ねるのではないだろうか。サービス大国日本が徹底する「おもてなし」、これは本当の意味の「おもてなし」と言えるのだろうか。
 私はこれを解決するには、おもてなしが必要だと思う。日本は相手を重んじ、おもてなしをする良い国なのだ。その良さを引き出せば良いだけなのだ。目の前の相手だけでなく、そのもっと先の相手のことも考える。「最後までサービスしよう、おもてなししよう」と思えることで、日本の良さが引き出せると思う。私が考える食の不均衡も、「食品を廃棄せずに、困っている人に最後まで届けよう」というおもてなし精神で、社会がより良くなると信じている。
日本は世界に誇れるおもてなし大国だ。日本のおもてなしは世界に通じる強みであるから、自分が変わると世界が変わると信じて、このおもてなしを実行してみてはどうだろうか。

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