海外ボランティア募集！大学生・高校生・社会人にオススメ。春休み夏休みも通年開催。

　近年、日本において一般的には「働く女性の割合が増えること」は良いこととされている。厚生労働省の「令和3年版働く女性の実情」によると、令和3年の女性の労働力人口は３０５７万人で、労働力人口総数に占める女性の割合は４４．６％という結果だった。およそ３０年前の平成２年の調査結果と比べると４６４万に増加、労働力人口総数に占める女性の割合については、平成２年と比べて４ポイント上昇しているという。「昭和の時代には男は仕事、女は家庭」という考えがあったらしいが、今や男も女も考えが変わったようだ。企業や役所でも女性の管理職が増えているというニュースを目にする機会も多くなっている。政府が目標とする女性管理職の割合３０％には遠く及ばないものの、必死になってＳＤＧｓの「５．ジェンダー平等を実現しよう」を目指していることが分かる。
　私が今回の研修で触れ合ったカンボジアではどんな状況なのだろうか。カンボジアの教育制度は６－３－３制で、最初の９年間は義務教育であることもあり日本と同じだ。しかし、貧困層の子供たちは家計を助けるため、小学校であっても退学率や留年率が高いという。また、女性の地位や差別の問題が未だにあり、女性が自立できていない状況にある。一方でこんな数値もある。労働力人口に占める女性の割合だ。２０１２年の数値なので少し古いが、カンボジアは５０．０５１％で世界９位である。日本は４２．２３５％であることを考えると、カンボジアは女性が働く割合が非常に高いのだ。まさに日本が目指している数値にも見える。ところが上位国を見てみるとどうだろう。1位モザンビーク（５３．０３０％）、2位ルワンダ（５２．３７０％）、3位ブルンジ（５１．３７７％）…。それ以降の国をみてもアフリカ大陸と中東の発展途上国が並んでいるのである。男性を含めた就職率をみてもカタール８６．２０％、タンザニアの８６．１０％などの発展途上国に続く世界6位の８１．２０％だ。単純に労働力が足らなくて子供たちや女性たちが働いているので、日本が目指すのはココではない。単純に働く人の数を数えても、その意味が違うのである。単に数値を比較するだけでなく、各国の情勢を踏まえる必要がある。それでも、５．ジェンダー平等を実現しよう」は達成できていると言えるのかもしれない。
　本論とは少しずれるが、興味深い数値がある。カンボジアの失業率が２００５年には１．３５％だったのに２０２２年の失業率が０．３６％だという。日本は２．６４％、アメリカは３．６１％、中国にいたっては４．８９％だ。統計が取れる世界の１８２か国の中で１８１位であり、失業率がとても低い国なのだ。安い賃金で働く労働者を求めて先進国の工場などがあるのが要因だろう。
　私が将来の仕事と考えている薬剤師の女性について調べた。最も多く薬剤師が働いている「薬局・医療機関」の男女比率を見てみると、男性は全国で7万８４３２人、女性は１５万１７５４人と、男性と比較して約2倍の女性薬剤師が主要施設で働いている。収入に関しても平均年収は男女差があまり見られなかった。能力が認められれば管理職として活躍できる道があり、平均年収が高くなるからだと考える。女性が活躍できる職種なのだ。薬剤師の過剰要因が報道されることもあるが、人材不足が解消されていないともいう。私も専門的な知識を身につけ、世の中に役立つ薬剤師になりたい。