『教育の重要性を広めるには』
なぜ世界では教育の格差が生まれているのだろうか。私は理由の一つに“教育の重要性に対する周囲の理解が得られていないこと”が挙げられると考える。では、教育の重要性に対する周囲の理解を得るにはどのようなアクションを起こせば良いのだろう。
今回参加したカンボジア研修で私はトンレアップ村の小学校を訪れた。子供達に教育の機会を与え、将来の職業の選択肢を広げることがこの小学校の目的だ。しかし、村には生活のために出稼ぎに出ていて学校に通えていない子供もいる現状があった。カンボジアの児童労働の割合は2021年時点で13%となっており、アジアの国の中でも多い状況にある。経済状況が悪く、安定した収入が得られないという背景から子供が出稼ぎに出ているのである。出稼ぎの仕事は農作業などの力仕事であるため、体力さえあれば知識は必要ない。長時間労働をすれば大金を稼ぐことができる。その出稼ぎで稼いだお金で新しい家やバイクを買って生活を立てることもできる。そのため勉強して知識を得ずとも生活ができるのならば、わざわざ学校に通うという選択はしないのである。
ところがトンレアップ村は観光産業が栄えるシェムリアップの近くに位置していて、ガイドやホテルの従業員などとして働く機会に恵まれている。ガイドやホテルの従業員として働くには外国語が堪能でなければならないが、学校に通えば外国語を習得する機会を得ることができ、職業の選択肢が広がっていくだろう。これは小学校の目的である『子供達に教育の機会を与え、将来の職業の選択肢を広げること』並びにSDGs目標4『質の高い教育をみんなに』、目標8『働きがいも経済成長も』の達成に繋がると考える。
さらに私は教育の重要性を周囲に認知させるには、知識を必要とする職を増やしていくことが必要であるのではないかと考えた。そして職を増やすには需要が必要であることに気づいた。高校生の私が需要を生み出すには限りがあるが、実際に現地を訪れて視点を広げ、そこで得た考えを広めていくことは新たな需要を生み出すきっかけになるのではないだろうか。またこのアクションはSDGsに貢献していると言えるのではないだろうか。
需要が増えることで供給のために職が増えていく。職が増えることで職に就く人の数も増え、生活が安定していく。そして国全体も経済状況が改善され豊かになっていくだろう。国が発展していくことで知識の重要性、すなわち教育の重要性はますます多くの人に伝わっていくのではないだろうか。