『平和とは』
2022年2月24日に開始したロシアのウクライナ侵攻。第3次世界大戦の前兆とも言われている。私は、長崎県出身で第2次世界大戦で長崎への原子爆弾の投下などがあり、幼い頃から平和について学習してきた。第3次世界大戦が始まるかもしれない今、もう一度平和について考えてもらいたい。
平和とは何か。平和の反対は戦争だろうか。戦争のない状態が必ずしも平和とは限らない。人として持つべき最低の権利をもっているか、不公平がないか、社会的暴力がないか、これらをすべて考えた上で平和と言えるのだと思う。
SDGsの掲げている目標16「平和と公正をすべての人に」では、世界のすべての地域を対象として、紛争や暴力の撲滅、子どもたちへの教育の徹底と虐待や暴力、不当労働などをなくすこと、また汚職や贈賄を無くしフェアな仕事環境を作り出すことなど、世界中の人々が平和と公正の元に生きていける世界を作ることを目指している。平和で公正な社会を維持するためには、地球上の誰もが、紛争やテロによって被害を受けることがなく、暴力を受けずに育ち学校へ通い、裁判では公正な判断が下される環境が必須である。しかし、未だあらゆる場所で紛争や暴力によって命を失う子ども、身分証明がなく学校に通えない子ども、性差別や人種差別によって仕事に就けない人々が存在するのが現実だ。武装勢力に拉致・誘拐されたり、あるいは脅されたり洗脳されたりして「子ども兵士」となるだけでなく、紛争下で性暴力の被害にあう子どもも多い。無事紛争を生き抜いても、紛争時の記憶がトラウマになってしまうこともある。子どもが教育の機会を奪われるだけでなく心身ともに想像を絶する苦痛を受けるこのような現状は、すぐにでも終わらせなくてはならない。
日本国内で問題視されているのが子どもへの暴力、虐待である。週に1人の子どもが虐待によって死亡しているというデータがある。その数は、年間約50人にものぼる。暴力や性的虐待の残酷な被害から子どもたちを守るために、児童相談学校等における相談体制の強化が求められる。また、子育てに苦悩し、手を挙げてしまう親へのケアも重要になってくる。
SDGs16達成のためには、紛争を撲滅させること、暴力や虐待を受ける子どもをなくすことなど、大きな課題を解決する必要がある。平和について考え、この現状を理解し、「持続可能な世界」を実現するために行動していきたい。