『SDGs×ビジネスの可能性』
宣伝や広告で聞くようになったSDGsという言葉。しかし実際にどういう意味かと聞くとあやふやな人が多い。事実、日本でのSDGs達成度は2020年にヨーロッパが上位を占める中、17位と低くそれが国民の認知度として現れているように思える。
そこで私はより多くの企業がSDGsへの取り組みを積極的に行うことで社会に浸透し、普段の日常においてもSDGsが身近に考えられる暮らしが当たり前となるのではないかと考えた。
しかしそのためには企業がSDGsへの取り組みが自社ビジネスを成長させる要因の一つだと思考を変換させる必要がある。
そもそもSDGsの取り組みをしていない企業は認識不足からのコスト課題や先行きの不透明性をリスクと捉えている傾向があり、2017年に行われた「SDGsがビジネスチャンスにつながる」と答えた企業は37%(一般財団法人企業活力研究所 上場企業143社)と少なく、この結果が社会での認知度の低さを表している。もちろん企業には数年先も存続させるために利益が必要であり、そのための長期的な戦略やイノベーションが大切となるためSDGsを別枠として見切りをつけているのかもしれない。しかしSDGsビジネスの市場規模は小さいもので70兆円、大きいもので800兆円程といわれ日本のGDPより倍の巨大な市場が形成されている。
金融的側面で見ても社会的な課題に取り組む企業に対して投資を行うESG投資では3000兆円もの資金が集まっており、環境課題に対する意識の高い投資家が増えているということから、SDGsを戦略的に取り組むことが長期的な企業の将来性を保持するといっても過言ではない。そしてそれは消費者に対しても同様で製品を選択する際に環境に配慮しているかで購入するか否かの判断基準ともなる。
対して企業側のメリットとしてもSDGsへの取り組みをすることで企業の評価が上がることや企業連携による新ビジネスの発展により、生存戦略につながる。就活においても企業の社会貢献度の高さが志望に影響する割合が近年では高く見られることからミレニアル世代の若者からも注目されていると言え、それが今後の企業の成長性を決めることにも繫がる。
こうした点から企業はSDGsへの認識を見直すべきであり、世界共通課題として広まる取り組みを軽視すれば、2030年には社会経済から取り残されることとなるだろう。そうならないためにも9年後のゴールを見据えた持続可能な開発を企業の技術戦略と交え長期的に挑戦し、社会においても還元していくことが大切だと考える。そしてそういった活動がメディアや消費者へと伝わり、周りにとってSDGsが当たり前の生活へと変わると考える。
ここまで企業によるSDGsビジネスの可能性について提唱したが、これは必ずしも企業だけが取り組めばいいと言うわけではない。消費者側も責任ある消費としてサステナブル・ラベルの付いた商品を購入することで生産者側を支援し購入する人が増えれば需要が増加し市場の拡大と新企業の参入も増え、更なるフェアトレードをもたらすといった正のスパイラル循環を作ることができる。そのためにも私たち一人一人の意識が必要であり、イニシアティブを持つことが大切であると考える。
自身もエコに気を使って空調を調節したり、最近では研修で学んだことを両親や友人に教えてあげたりした。
こうした何気ない小さなことを積み重ねることでいずれそれが大きな成果として周りを巻き込んだ持続可能な社会を形成していくと考える。
今はまだ一歩を踏み出せない人も数年後の実現可能な世界を目指してこうしたことから未来への投資をしてみてはどうだろうか。