『1つのものから繋がること』
私は、多数の項目があるSDGs目標のうちいち早く解決するために取り組むべき目標は、12つくる責任・つかう責任だと考えます。IPhoneを例に考えてみましょう。毎年のように新しいIPhoneが登場しますが、今年はIPhone12から13へと切り変わりました。最新の機種ですから、多くの人が欲しいと思うでしょう。ここで少し考えてみてください。もし、 IPhone13を購入したら今まで使用していたスマートフォンはどうなりますか。
そこで大抵の人は、不要になったものとして捨ててしまうと思います。新しいものが手に入ったら、古いものは捨ててしまうという行為は私達の生活だけでなく、地球にすら悪影響を及ぼすと思います。理由は、大きく一つで、私が最も重要であると考えている事です。それは、 SDGs目標のつくる責任・つかう責任を解決せずにそのままにする、あるいは悪化させてしまうと他の目標にも悪影響が出てしまうからです。例えば、15陸の豊かさを守ろうに影響が出てくると思います。私達がものを次々に捨てていけば、捨てられたものたちはゴミになります。そのゴミを埋め立てる場所は埋立地ですが、そこにも限りがあります。もし、その場所が無くなれば行き場を無くしたゴミ等はいずれか、人間の生活区域の至る所にゴミを目にするようになってしまうと思いませんか。回収が追いつかなくなり、陸地に溢れかえってしまえば次はどこに影響が出てくるでしょうか。そう、川から海へ、そして海に住む生き物たちへ。14海の豊さを守ろうにも影響が出てきます。陸からのゴミは川に流れ出て海に到着しますよね。私たちの生み出したゴミは自然に帰りません。適切な処理をしなければ、永遠に海上を漂うことになります。人工のゴミを餌と間違えて食べてしまい、命を落とす海洋生物が沢山いることが問題になっているのは事実で、ニュースでよく取り上げられています。これも私たちが招いたことです。海洋生物によって人間が助けられていることは数えきれないほどあります。食はもちろん、医療にも関わりがあります。直接的でも、間接的でもその助けを失ったら、今のような生活はできなくなるかも知れません。また、8安全な水とトイレを世界中にという目標にも影響が出てくると思います。水道から出てくる飲み水は川からできてます。その水を安心して飲む事が出来るのは技術のおかげです。しかし、先ほど述べたようにゴミが陸から川へ流れ出る事で川の水が汚れてしまえばどうなるでしょう。水を浄化する技術にも限界があります、不衛生なもので一杯になれば今は無色透明な綺麗な飲み水が浄化しきれずに濁った水になってしまう未来もそう遠くありません。このように、私たちが多くのゴミを生み出してしまえば、主に環境を悪い方向へと導いてしまうのです。現状から目を背け、アクションを起こさないままでは私たち自身を追い込む結果となります。そこで、重要となってくるのは、循環型社会の形成です。3Rなど様々な取り組みが行われ始め、一人ひとりの意識も高まりつつある中、私は新たに取り組むべきアクションを提案します。それは、“Rot“と駅を掛け合わせた「グリーン・ステション計画」です。まず、“Rot”とは何か。ゴミを埋めて土に還す方法です。土の中に含まれる微生物がゴミを分解して肥料に変えてくれるというもので、環境に優しいリサイクルとなっています。日本ではまだまだ知名度が低いようですが、循環型社会を築き上げるにあたって大きな役割を果たしてくれるのは間違いありません。では、このRotと駅をどのように結びつけるのか。それは、ゴミから作られた肥料で駅に植えられた植物を育て、フラワーアートやツリーアートに活用するのです。植物を使ったアートは人の心を癒すものとなり、景観も良くなります。駅という誰もが利用する所ならば必ず目に入るので、アートを利用すれば観光地にもなりうるかもしれません。Rotを行うメリットとしては、ゴミから肥料を作るのでゴミを減らす方法の一つとなること・焼却処理は不要なので二酸化炭素の排出が0・肥料となるので繰り返しの使用が可能・土に埋めるだけなので簡単に肥料を作れるなどです。しかし、デメリットもあります。それは、プラスチックやアルミ等の人工的に作られたゴミは微生物で分解できないということ。つまり、生ゴミしかRotの活用ができないことです。人工のごみの処理に関しては、また別で考える必要があります。
これまで説明してきた「グリーン・ステーション計画」はゴミの減少に重要な役割を果たすとともに、環境に配慮し、また、人々の心と街の発展にも貢献するかもしれない大きな可能性を秘めています。つかう側にもつくる側にも責任を持つ必要があり、一つのことは様々なことに繋がっていることを理解することが大切です。繋がりの輪があるからこそ、私たちの行動と意識次第でいくらでも良い方向へ向かうことができると思います。小さなことの積み重ねが大きなことへ。その連鎖が未来を照らす鍵になります。