『貧困地域における初等教育の充実』
本論では、貧困地域における初等教育の普及率とそれに伴う、児童労働の問題について言及し、今我々が何をすべきなのかについて考察する。
基礎的な教育は、人間における基本的な権利で、そのことは世界人間宣言においても第26条で言及されており、基礎的な初等教育は無償で行われる、そして義務的でなければならないと書かれている。今現在、UNESCOの推計では、約1億1000万人の6〜11歳の初等教育に該当する子どもが就労できていない。その中で普及率が特に低いのが、サブサハラアフリカと南アジアであり、この2地域は教育の普及が遅れており、先進国からの援助が急務とされる地域である。
このことを踏まえた上で、我々がこの貧困地域の初等教育の現状に対して貢献できることは、いま現在の状況を明確に理解し、丁寧に分析した上で、正しい知識として、世界中に伝えることである。正しい知識が世界各国に広まることで、発展途上国の教育に投資する人々が出てくることも期待できる。
そもそも貧困地域での教育において必要なことは何なのであろうか?
例をあげても多岐にわたるが、主要な問題は2つある。
1つ目は、教員の数である。サブサハラアフリカにおいて教員不足は深刻な問題である。サブサハラアフリカでは教員と生徒の割合が42対1であり、教員の負担が大きく、授業の質が低下せざるを得ない。これを改善するためには、アフリカへの教師派遣や、それに対応する形での新たな学校建設などが必要である。
2つ目は、子どもたちの授業時間である。
「人的資本論」という言葉があるように、将来の生産性は教育の質、量に依存する。
貧困地域では、学費が払えない、教材が買えない、家族の手伝いをしなければならない、という理由で授業を必要時間受けられない生徒が多く、教育が足りていないために、貧窮した生活から抜け出せない事例が多い。我々にもこれらを改善するために、教材や勉強道具などをユニセフなどを通じて貧困地域に届けることが出来る。
これらは、主要な問題であり、他にも紛争、内戦のために学校に通うことが難しいことなどもある。貧困地域でも徐々に、初等教育の無償化や学校の建設などで、普及率は伸びてきているが、未だ児童労働などの問題がなくなっていないことも事実である。これらを自然に知ることは難しいことである。そのため、我々が、知らせていくことが大切なのだ、と考える。