カンボジアSDGs海外ボランティア研修への海外ボランティア
カンボジアは私にとって第二の故郷。自分が思う当たり前の生活がいかに幸せなことなのか実感しました。日本人が忘れているなにかがきっとカンボジアには息づいています。
一生の思い出
私は、看護師として勤務して2年目になります。患者様と関わり、生と死と向き合うなかで、自分の看護師としての方向性を考えるようになりました。そして、昔からボランティアに参加させていただく機会もあり、僻地医療や孤児院などの活動に興味がありました。何よりも実際の現場を自分の目で見て、耳で聴いて、からだで感じとりたいと思っていました。考えるより実行!をモットーに、今できることは何かと考え、まず動いてみようと決心し参加させて頂きました。
私はこれまで海外に行った経験が全くなく、まずはパスポートをとることから始まりました。一人での参加であり、現地空港までの道のりは孤独と不安に押し潰されそうな思いでした。夜のシェムリアップ空港に到着した時、日本とは何か違う空気を感じ、カンボジアにやってきたんだというワクワクした気持ちが沸き起こりました。空港を出るとガイドであるレーンさんがお出迎えしてくれ、その陽気な人柄に不安は吹っ飛びました。参加メンバーは6人。全員女の子ということもありすぐに打ち解けることができました。
カンボジアでの初めての朝を迎えると、そこには夜には分からなかった風景が広がっていました。訪れたのはキリングフィールド。そこで障害を抱える少年と出会い、その少年は私たちの手を握り屈託のない笑顔で話しかけてくれました。クメール語の本を片手に言葉を探しながらも、言葉は分からなくても知りたい、分かりたいという気持ちがあれば伝え合えることに気付くことができました。バスの中、カンボジアの人々と関わり商店や家など流れていく景色を見て、決して裕福とは言えないし衛生面も良いとは言えないけれど、そこには「笑顔」と「幸せ」が確かにあると感じました。アンコール小児病院においては、医療者としての視点で院内をまわらせていただき、12人のうち1人は5歳以下で亡くなっているという現実に愕然としました。その現実に悲しさを覚えながらも少しずつ向上しているカンボジアの医療技術と支援活動に自分自身に何ができるのか考えさせられました。
2日目に訪れた国際日本文化学校では自分のボランティアに参加する考え方の甘さを痛感しました。朝早く登校し勉強する生徒さんの教室に入る際、私たちは無言で入りました。その時、日本語教師である先生から「あいさつをしっかりしてください。生徒は日本人の礼儀をしっかり見ているし悪いことは真似をします」と注意を受け、あいさつですらしっかりできない自分に恥ずかしさを感じました。生徒さん方との関わりの中で、歌手になりたくてもなれない、日本に留学したくても行けないカンボジアの現状を知りました。それでも夢を叶えるため、できないことはできるようにする生徒さんたちの思いに触れて、そんな憧れの日本に暮らす自分は、胸を張って生きていると言えるのか…胸に手をおき、自分自身が学ばせていただく思いとなりました。
滞在中いくつかの学校や孤児院を訪問させていただき、カンボジアの子ども達と交流し多くの笑顔に出会いました。両親がいない子や満足のいく学習の場がなくても懸命に勉学に励む子。そして、2人の女の子との出会いはいまの自分の大きな支えとなっています。「本当にあなたに出会えて嬉しい。私たちは3姉妹だね。絶対また私たちのところに帰ってきてね」と言ってくれ、お揃いのミサンガと心でいまも私たちは繋がっており、「彼女たちも頑張っているから私も頑張ないと」と強い思いがあります。
言葉も違えば、生活も環境も違う。けれど、共通言語は英語ではなくて「笑顔」と実感しました。私がボランティアに参加して与えられたものはあるかないかも分からないですが、私がもらったものはとても大きくて、それをこれからの私の人生にどう活かしていくかが課題だと考えています。この旅で出会ったすべての人々にオークン!
医療者としてカンボジアの医療や福祉の課題に目を向けていきたいと思います。いまの私の力はちっぽけではありますが、今回のボランティアでの経験を日本のより多くの人に伝え、カンボジアに興味を持っていただきたいなと思います。そして、いつかまたカンボジアに訪れた際には自分自身が多くを与えるられる存在であるように、より医療技術の習得に励みたいと思います。
かけがえのない出会いと経験をいただいたからです。
「時間がない」「お金がない」と言わず、学生の時に時間がとれなかった社会人のみなさんこそ、ぜひ参加してほしいと思います。多くの笑顔と感動の出会いが今後の人生に必ず糧となると思います。
会員様から頂いたメッセージは私達にとって何よりの励みになります!!
安心・安全な旅をありがとうございました。キャッチフレーズ通り、一人での参加においても有意義な時間を過ごすことができました。