ネパール スタディツアーへの海外ボランティア
ネパールの人々は、「当たり」の顔をして、「当たり前」ではないことをしてくれます。そんな彼らに、心から「有難う」と伝えたいです。
素敵な出会い
世界史の教師として生の世界の様子を伝えたいという想いから、今まで様々な国を訪れました。その中でインドやタイ、トルコなどの国を訪れた際に、貧困の中で生活をする人々に出会いました。そのような人々を見るたびに、何とかしたいと思いながら結局何も出来ない自分がいました。そして、そのような自分をもどかしく感じていました。また、何をすれば良いのか分からない自分もいました。ただお金を渡すだけでは、きっと何の解決にもなりません。また、私が一方的に気の毒であると感じている事柄も、現地の人々にとっては何でもないことなのかもしれません。どうすることが最も現地のためになるのか、ということを学び、その学びをこれからの教員生活に活かしていきたいと思い、参加を希望しました。
「当たり前」の有難さ、「有難う」の重み。そのことを深く感じる1週間でした。
ネパールへ行ってから数週間が経ちますが、今でもネパールのことを思い出すと、心が温かくなります。
「ネパールでは人々が助け合うことは当たり前のことだから、“ダンネバート”(有難うという意味)という言葉はめったに使わないんだよ。“ダンネバート”という言葉は、“ありがとう”よりもずっと重い言葉なんだよ。」
現地の青年海外協力隊員の方に教えていただいたことは、ネパールという国をとてもよく表していると思います。現地で一緒に行動していたネパール人のスタッフは、いつもキャンディーの袋を持ち歩いていて、子供に出会うたびにその中からキャンディー1個をプレゼントしていました。彼女のお給料は、日本円で1ヶ月1万円ほどだそうですが、それに対してキャンディーは、1袋で100円ほど。日本人の感覚よりもきっとずっと高価なキャンディーを、いとも簡単に配っていました。ネパールの人はこんなことを、ごく当たり前の顔をしてやってしまいます。そして、そんなことをしておいて、彼らは見返りに「ダンネバート」の言葉を求めません。そんな感謝の言葉をもらわなくても、行動する。きっと彼らにとっては、それが当たり前のことなのでしょう。そんな当たり前が、私にはとても尊く感じられました。
ネパールの学校を訪れると、生徒たちが、「ナマステー!」と言いながら私たちを歓迎してくれました。小さい子たちは競って自分の書いた絵をプレゼントしてくれました。最終日には、どこかから摘んできた、可愛いお花をプレゼントしてくれた子も居ました。私が貰ったお花を髪につけようとすると、別の子が自分の髪につけていたお花までプレゼントしてくれました。私に渡すと、自分の髪飾りがなくなってしまうのに。
お昼には、毎日先生たちが私たちのためにお昼ご飯を作ってくれました。私たちの到着が2時間ほど遅くなってしまった日にも用意していてくれて、自分達のお昼も食べずに私たちの到着を待っていてくれました。
こんなことをしてもらえるほど、きっと私たちは何もできていないのに。むしろ、私たちが貰ったものの方が、ずっとずっと多いのに。最終日の最後に、学校の理事長が私たちに対して「ダンネバート」と言ってくれました。現地ではとても重い言葉なはずなのに、その言葉を使ってくれました。そんな言葉をもらえるほど、自分は何もできていないと思いましたが、その言葉を使ってもらえたことが、とても嬉しかったです。
現地の人の行動ひとつひとつが、私にとってはもったいないような宝物として、私の記憶に残りました。またいつか訪れて、私からの“ダンネバート”の気持ちを伝えたいなと思いました。
また、日本にとっての当たり前は、ネパールではとても尊いことだと分かりました。ネパールはインフラがまだまだ未発達であるため、夏場は1日3時間ほど、冬場になると長いときで、1日16時間近くも停電になります。道路は首都でも未だに整備が行き届いておらず、車での移動の際にはでこぼこ道の振動をもろに味わうことになります。私が宿泊したNGO施設のトイレは、2時間に1回しか流れませんでした。またお湯も、限られた量しか使えませんでした。ネパールに居たときにはこれらのことに対して、それほど不便に感じることはなかったのですが、日本に戻って、日本で生活してみると、日本での生活がどれほど便利なものかということが分かります。そして何よりも尊さを感じたのが、学校教育です。ネパールでは学校とは、当たり前に通えるものではありません。公立学校の授業料は無料ですが、それでも家庭の事情で学校へ行くことのできない子供が大勢います。義務教育制度のある日本とは、大きく違います。しかし、だからなのでしょうか、私たちが訪れた学校の生徒は、学ぶことにとても一生懸命でした。彼らの人生で、日本語を使うことなんてほとんどないのかもしれないのに、私たちの日本語の授業を、本当に熱心に受けてくれました。1日目には「こんにちは」と上手く発音できなかった子供が、次の日には「こんにちは」としっかりとした発音で挨拶してくれました。日本にとっての当たり前、それは全く当たり前のことではない。頭の中では分かっていたけれど、何となく実感のなかった事実を、今回身をもって体感することができました。
私たちにとって「当たり前」のこと、彼らにとって「当たり前」のこと、そのどちらも、本当に貴重な、有難いことだと思います。普段の生活で、「当たり前」のことへの感謝の気持ちをつい忘れてしまいそうになりますが、もっともっと、「当たり前」への感謝の気持ちを持とうと思いました。こんな大切なことに気がつかせてくれた、ネパールの人たち、そしてこの旅に心を込めて“ダンネバート!”と言いたいと思います。本当に、いい経験になりました。
今回ネパールで学んだ「当たり前」の尊さを、授業などを通して生徒達に伝えたいと思います。
また、ネパールでは人身売買抑止団体などの施設を訪れ、現地の問題を学んできましたが、それらの問題の根底にあるのが、教育の不徹底なのではないかと感じていました。教育者の立場から、現地に貢献できることがもっとあるのではないかと思います。今回のプログラムでは、青年海外協力隊員の方や、UNVボランティアの方にお会いする機会があり、彼らにとても刺激を受けました。このプログラムに参加するまでは、あまり本格的に考えてこなかったのですが、今後はもっと本格的に、教育者という立場での貢献活動を、進めていきたいと思います。そのために、まずは勉強です。勉強ができる環境に感謝しつつ、もっと自分に能力をつけて、国際協力に関わっていきたいです。
個人旅行では絶対にできない経験ができるから。
思っている以上の、素晴らしい経験が待っていると思います。迷っているならば、是非1歩を踏み出してみてください。私は仕事のこともあったので、参加には散々迷いましたが、参加してよかったと思います。
会員様から頂いたメッセージは私達にとって何よりの励みになります!!
ほんとうに沢山のことを、安全に、経験することができました。個人の旅行では絶対に出会えない人々に出会い、感動をもらえました。このような経験の機会を与えて下さって本当にありがとうございます。
このプログラムは、現地に貢献できる上に、個人旅行では絶対に経験できないようなことを経験できるとても貴重なものだと思います。大変なお仕事だとは思いますが、とても素敵なお仕事だと思います。これからも頑張って下さい。