フィリピン 貧民区キッズサポートへの海外ボランティア
一生忘れない、大切なことを教えていただいた1週間でした。
感謝でいっぱい
海外のニュースが少ない日本のテレビ報道ですが、ときたま目にするスラムなどの様子はショッキングでした。日本でのうのうと暮らしている自分と比較してしまい、「このままで良いのだろうか」とずっと考えていました。貧困は負の連鎖で貧困からの脱出を難しくします。私は分け合えるほど余りあるお金持ちでもなければ、物持ちでもありません。しかし、子ども達と一緒に笑ったり泣いたり、いけないことはダメだと言ったりして共に成長することはできるはずです。そうした活動を通して、貧困の負の連鎖にくさびを打つ力になりたいと思い、参加しようと思いました。
参加すれば現地にはニーズがあって、NGOの人から何か指示されるだろう。そんな受動的な態度でしかなかった私は、マスターの厳しい言葉に目が覚めるような思いでした。笑顔にしたいと思っていた子ども達は楽しそうに遊び、懸命に働き生きている。彼らを目の前にして、何もできない自分に気付かされました。初日から最終日まで、ボランティアとは何か、自分には何ができて、なにをしたいのか、悩み続けた1週間でした。
結局できたと思えるのはわずかばかりの寄付だけでした。与えられた仕事すら満足にこなせない、まわりを見れていない私たちを、マスターは見捨てないで最後まで熱い言葉を掛けてくださいました。その一言一言や、食事の前の合掌の度に、特に水・食事・学校に通えること・両親をはじめとする支えてくれるすべての人への感謝で胸がいっぱいになりました。自分の人間としての未熟さから来る無力感、恥ずかしさ、悔しさで落ち込んでいると、行く前に「笑顔にしたい」と思っていた子ども達やサポートのお姉さん達がすぐ声を掛けてくれて、たくさんジョーダンを言って、逆に笑顔をもらっていました。心の底から、この人達のために何かしたい、と思いました。夢を語るマスターの横顔は本当に素敵で、こんな人に自分もなりたいと思いました。でも今は、何もボランティアと言えることはできない。
日本に帰ってきて、生活は学生の日常を取り戻していますが、今までとは周りの見え方が全く違います。なんと豊かな、「普通じゃない」環境に自分はいるんだろう。まずは勉強を頑張って、就職して獣医師としての技術を身につけたいです。世話になりっぱなしの両親にも、たくさん孝行したいです。それができて、自分なりのボランティアのビジョンを描いたら、もう一度フィリピンの子ども達に、マスターにボランティアするために会いに行きたいです。
こんな体験をさせていただいたことに、心から感謝します。
常に周りを見て、感謝の気持ちを忘れず生きていきます。自他共栄の理念のもと、心で感じて自分のできるボランティアを実践し、さらにできることを増やしていきたいです。今回学んだことを、少しでも周りの人に伝えていきたいと思います。
今はボランティアと言えることができないから。
自分が何をしたいのか、明確に構想を持ってください。現地語を学んでおくこともおすすめします。