死亡率と栄養不足
5歳未満児死亡率
2014年現在5歳未満で死亡した子どもは推定で約630万人。
いまなお毎日17,000人、約5秒にひとりの幼い命が失われています。
5歳未満の子どもの命を奪う主な原因
ユニセフがWHOや世界銀行と共同で発表した子どもの死亡傾向に関するレポート(※1)によると、5歳未満の子どもたちの命を奪う主な原因は以下の通りです。
- 肺炎 17%
- 下痢 9%
- マラリア 7%
- 周産期の問題(早産や合併症、分娩時の問題) 28%
これらの病気のうち、肺炎、下痢、マラリアは家庭などでも予防できる病気です。しかし、今もなお、毎日6,000人以上の子どもたちがこのような病気で命を落としています。
死亡率低下にむけた進捗状況
ミレニアム開発目標の基準となる1990年当時、世界では年間1,260万人の5歳未満の子どもが死亡していました。 ユニセフは報告書(※2)のなかで、予防可能な原因による子どもの死亡が特定の地域や国の貧富の度合いに偏ることなく、世界の多くの国々で大幅に削減されていると発表しました。
出典:“The Millennium Development Goals Report 2013”
“Committing to Child Survival: A promise Renewed- Progress Report 2014″
アフリカでの差
子どもの死亡率が高いサハラ砂漠以南のアフリカでは、1990年代と比べ、5倍以上のペースで死亡率の減少が進んでいます。しかし、子どもの死亡率が最も高く8人に約1人の子どもが5歳未満で死亡している西部中部アフリカでは、1990年以降、年間の死亡率はほとんど減少していません。
栄養不良とは
健康に育つための十分な栄養が足りていない状態のこと。 身体の成長に欠かせないたんぱく質や免疫力をつけるビタミンAなどの栄養素が足りないと、風邪や下痢などが原因で命を落とす危険が高まります。
栄養不良の原因
- 貧しかったり、災害や戦争がおこったりしたために、十分な食べものが手に入らない
- 栄養のことについてあまり知らないので、同じものばかり食べてしまったり、栄養のかたよった食生活をしている
- ビタミンAやヨードなど、地域によってとりにくい栄養素がある
- 赤ちゃんを産み育てるお母さんの栄養がたりない
栄養不良になると…
- 成長したり病気に対して抵抗したりする正常な身体の働きが弱まる
- 肉体労働が困難になり、学習能力が低下する
- 身体および精神の発達が阻害される
栄養不良の現状
- 2013年現在、世界で約4人に1人(1億6500万人)の5歳未満の子どもが発育阻害にある
- 特に、サハラ以南アフリカ(40%)、南アジア(39%)で発育阻害状態の5歳未満の子どもが多い
- 東アジア、太平洋地域では、発育阻害の5歳未満の子どもの割合は、1990年の42%から2011年に12%まで約70%削減させた
<5歳未満の発育阻害状態の子どもの割合>
参照:“Improving Child Nutrition: The achievable imperative for global progress 2013″
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