タイ ボランティアへの海外ボランティア
良い面(現地の人のあたたかさ)も悪い面(失われている伝統)も、報告書や事前資料だけではわからないものをたくさん見ました。
優しさに触れた
幼い頃から国境を越えて誰かの役に立ちたい、とずっと強く思っていました。また、国外でボランティアをすることで世界で起きている問題を自分の目で確かめたいと考え、フェアトレードへの関心もあって、環境保護と人との暮らしの関係という複雑な問題に向き合うこのボランティアに参加したいと思いました。
ラフ村での、床下の家畜と共に暮らす生活や新鮮な山菜でつくる料理は、自分達が必要な分だけ命をいただく人間本来の暮らし方だと思います。アカ族の村でも、小さな子供からお年寄りまで世代を越えて人々が集まり小鼓を打って皆で輪になって踊ることで、年に3日間の特別なお祭りを楽しんでいました。家や遊具(ブランコ)も竹や木でできており、自然に多く触れているからこそ自然を大切にし、人間を含め命の暖かさを感じる生活ができるのではないかと思いました。鉄筋コンクリートのビルが立ち並び、調理済みの食品が溢れている日本の都心とは正反対です。
しかし、山岳民族の村は電気が全く通っていないと思っていたのですが、ラフ村でもアカ村でも多くの家庭に電気が通っていました。特にアカ族の村で自動車やテレビを見た時は驚きました。また、伝統的な機織り式で作られた工芸品が見た目も実用性も魅力的でお土産として購入しましたが、それらの工芸品も失われつつあると説明されました。工芸や民族衣装、そして生活様式など、伝統が失われつつあることを短期間の滞在でも感じました。不況に苦しむ日本や環境汚染の進む中国などが示しているように、物があふれて物質的に豊かになっても必ず幸せになれるわけではない、ということを現地の人々にどうにか伝えたいと強く感じました。
今後は海外だけではなく国内にも目を向け、農作物が売れないため放棄された休耕地や、都心と違って不便だからと人が流出してしまった過疎地など、自然の大切さや人と人がふれあう温かさが見失われつつある土地を訪ねてみたいと思います。「自分が住まないからそんなこと言えるんだ」と言われるような理想論にならないよう、不便な暮らしを強制するのではなく、かといって消費大国の都心を真似するのでもない、自然と共生してきた伝統を失わない暮らしの在り方を考え、タイで感じたことと自分のアイディアをその土地の人々に伝えたいと思います。
同年代がたくさんいて心強かった。
折り紙などを持っていくと便利です!